厚生労働省の介護事業経営実態調査で、昨年度の介護事業の収支差率が全サービス平均で2.4%だったことが分かった。前年度の3.1%に比べ0.7%低下した。
10月30日に開催された社会保障審議会(厚労相の諮問機関)介護給付費分科会で報告された。同調査は介護報酬改定の基礎資料とするために行うもので、今回の調査は前回改定の3年目となる今年5月に実施した。有効回答率は45.2%だった。
収支差の悪化については、介護人材の確保が課題となる中で、人件費や委託費が前年度に比べ増加していることが原因として挙げられた。
各サービスの収支差率では、特養は0.2%低下し1.6%、老健は1.2%低下し2.4%、居宅介護支援は1.5%低下してマイナス1.6%となる一方、訪問介護は0.2%改善し4.4%、福祉用具は0.5%改善し4.7%となった。
分科会では委員から、人件費に見合った報酬設定になっていないとして、プラスの報酬改定を求める意見や、介護報酬改定の基礎資料とするための重要な調査であるにも関わらず、有効回答率が低すぎることから、回答を義務化すべきとの意見が出されていた。