厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードは10月13日、緊急の場合を除き制限している高齢者施設や医療機関での面会について、適切な感染防止対策を行うことを条件に認める方針を示した。つながりや交流が失われることで、心身の健康に悪影響を与えることを考慮して、従来の方針を転換する。
高齢者施設などでの面会については、3月28日の「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」で、高齢者施設や医療機関で面会者からの感染を防ぐため、緊急の場合を除き面会を一時中止すべきとされたことから、4月以降、全国一律に終末期の看取りなどの緊急の場合を除き、面会が制限されてきた。
しかし、活動の自粛などにより、ADLの低下、認知機能の低下が見られたとの報告があることや、地域によって感染状況が異なることから、管理者が制限の程度を判断して、適切な感染防止対策を行った上で実施するとの方向性を示した。
感染防止対策としては、面会者に発熱、のどの痛み、倦怠感、嗅覚・味覚障害などの症状がある場合は面会を断ること、面会者には面会時間を通じてのマスク着用、面会前後の手指消毒を求めること、面会後は面会者が使用した机や椅子、ドアノブなどの清掃と消毒を行うことなどが例示された。
また、外出については、屋外での運動や散歩など、生活や健康の維持のために必要なものは、不必要に制限すべきではないとして、「三つの密」の回避、人と人との距離の確保、必要に応じたマスクの着用、手洗いなどの基本的な感染対策を行いながら、感染予防と活動・生きがいとのバランスを確保していくことが重要としている。