これまで縦割りだった、介護・障害・子ども・困窮といった地域住民の抱える課題を、包括的に支援できるようにする社会福祉法などの改正案が6月5日、参議院本会議で可決成立した。来年4月に施行する予定。
80代の親が50代の引きこもりの子どもの世話をする「8050問題」がクローズアップされ、2040年には人口減少・少子高齢化がさらに進み、単身世帯が4割となり、就職氷河期世代が高齢化するなど、地域住民の支援ニーズが複雑化・複合化している中で、従来の枠組みでは生活課題への対応が困難となっている。
改正社会福祉法により、相談内容ごとに窓口が異なる自治体の縦割りをなくし、包括的に相談に応じる「断らない相談支援」体制を構築する。また、国から自治体への財政支援についても、従来の枠を超えて使える交付金を新たに設ける。
社会福祉法人やNPO法人などが連携して、多様な福祉ニーズへの対応や人材育成、装置などの共同購入、資金の融通などを行うことで、経営の効率化や基盤強化を図る「社会福祉連携推進法人制度」も創設。介護福祉養成施設卒業生への国家試験義務付けに関する5年間の経過措置を、さらに2027年度まで5年間延長する。