12月22日、第110回社会保障審議会介護保険部会が開かれ、「給付と負担について」「介護保険法施行規則の改正等」「『住宅確保要配慮者に対する居住支援機能のあり方に関する検討会』中間とりまとめ(案)」について報告された。
「給付と負担について」は「1号保険料負担の在り方」の見直しと「一定以上所得の判断基準」の変更について報告された。
第1号保険料は標準段階を現行の9段階から13段階とし、1号被保険者間での所得再分配機能を強化することになる。
一定以上所得の判断基準は、サービス利用時の自己負担割合が2割となる基準を現行より引き下げるものだが、来年度の改定では見送られる。第10期介護保険事業計画期間の開始(2027年4月)の前までに結論を得る、と先送りされた。
介護保険法施行規則の改正等は、「地域包括支援センターにおける柔軟な職員配置」「総合事業における継続利用要介護者の利用可能サービスの弾力化」が提案された。
前者については、人材確保が困難となっている現状から、3職種(保健師、社会福祉士、主任ケアマネ。それぞれ“準ずる者”を含む)の配置は原則としながら、複数拠点で合算しての配置や、主任ケアマネに準ずる者の範囲の適切な設定など、柔軟な職員配置を進める、としている。
後者の「継続利用要介護者」とは、介護給付を受ける前から継続的に総合事業を利用する要介護者のこと。これまで、総合事業の住民主体サービス(サービスB・D)を利用できたのを、サービスA(緩和された基準)も利用できることになる。
「住宅確保要配慮者に対する居住支援機能のあり方に関する検討会」中間とりまとめ(案)は、課題を抱える生活困窮者や高齢者の増加や、日常生活・社会参加の支援の重要性を指摘する。
介護保険制度の地域支援事業(任意事業)としての高齢者の安心な住まいの確保は251の保険者が実施しているが、うち、民間賃貸住宅への居住支援は少数とも指摘する。
単身世帯や高齢世帯が増加し、住まい確保のためには市場環境を整備するとともに、住宅のみならず複合的な課題を抱える場合も多いため、福祉施策と住宅施策が密接に連携し、総合的・包括的な支援体制を構築する、とも掲げた。