中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は11月10日、外来医療などに関する議論を行い、かかりつけ医機能に関する評価をめぐり、支払側委員が外来管理加算の廃止やサービス担当者会議を地域包括診療料加算の要件とすることを提案したことなどに対し、診療側委員が猛反発した。
外来管理加算の算定にあたっては、丁寧な問診と詳細な身体診察を行い、それらの結果を踏まえて患者に対する説明などを行うことが要件となる。
支払側委員からは、対象疾患や診療科の条件もなく、処置・リハビリ・検査・手術などを行わないことや、丁寧な問診や診察、懇切丁寧な説明という基準があいまいな条件のみで算定できることから、評価の妥当性に疑問があるとして廃止を求めた。
これに対し、診療側から「丁寧な説明などを全否定するもの」「家庭の揉め事なども含め丁寧に話を聞かなければ血圧も下がらないし、糖尿病も改善しない」などとして反対した。また、具体的な処置がない中で全人的に診察することは内科医のテクニックの1つとする意見もあった。
一方、地域包括診療料加算については、加算を届け出ている施設の多くがかかりつけ医機能を持っているが、サービス担当者会議に参加する割合は5割強に留まっている。
このため、支払側委員から主治医とケアマネジャーの連携を強化するため、サービス担当者会議への参加を地域包括支援料加算の要件とすることを求める意見が出された。
診療側委員からは、サービス担当者会議は主治医とケアマネの連携の1つにすぎないとする考えや、主治医意見書を書いていても、安定している場合はサービスの継続を電話で連絡するだけで済むという例を提示するなどして反対した。
このほか、特定疾患療養管理料や機能強化加算などをめぐっても意見が対立して議論が長引いたため、この日のもう1つのテーマである入院医療については次回以降に議論することになった。