中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は10月20日、主治医とケアマネジャー、医療機関と高齢者施設、障害福祉サービスとの連携、訪問看護について議論した。
このうち、主治医とケアマネの連携については、ケアマネの運営基準では、ケアマネが行うケアマネジメントに対する医師の役割として、サービス担当者会議を通じて専門的な知見を求めること、医療サービスを提供する際は医師の意見を求めること、医師の医学的観点からの留意事項を尊重して居宅サービスを策定することが規定されている。
しかし、厚労省の調査に対し、4割以上のケアマネが主治医にケアプランを提出しても活用されていないか、活用されているか不明と感じていると回答している。
また、ケアマネにとって医療機関との情報共有における問題点として。医療機関側に時間を取ってもらうことの困難さを挙げるなど、主治医とケアマネの連携はあまりうまくいっていないのが現状だ。
厚労省からは、医療の視点を踏まえたケアマネジメントを提供するためには、サービス担当者会議などを通じて認識が共有され、医療と生活の双方の視点に基づいたケアプランが策定されることが重要だとして、連携を推進するための方策が論点として示された。
これに対し、診療側委員から「会議を通じての連携はさまざまな方法の1つ。ケアマネへの診療情報提供料のあり方やさまざまな連携を進めていくための方策などを検討した上で、実効的な方法を検討すべき」との考えが示された。
また、別の診療側委員からは「主治医からケアマネ、ケアマネから主治医への情報提供による報酬算定は低調。ケアマネから主治医への書式の簡略化に向けた見直しが行われているが、書式が活用される仕組みが重要」との指摘があった。双方が情報を取りに行くシステムや行政の力が必要との意見もあった。
一方、支払側委員からは「地域包括診療料などの要件として、サービス担当者会議への参加やケアマネとの相談などを明確化することが考えられる」との提案があったが、診療側委員から要件化に反対する意見が出ていた。