認知症基本法が6月14日、参議院本会議で全会一致により可決・成立した。「認知症の人が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすことができるよう」基本理念を定め、国・自治体の責務を明らかにし、認知症施策の推進に関する計画の策定を定めた。
基本理念としては、認知症の人が自らの意思で日常生活・社会生活を営めるようにすること、国民が認知症に関する正しい知識を深めること、認知症の人に適切な福祉サービスなどが提供されること、認知症の家族への支援が行われること-などを掲げた。
国に対しては認知症施策推進基本計画の策定を義務付け、施策の具体的な目標と達成時期の策定を求めた。一方、自治体には認知症施策推進計画の策定を努力義務として示した。
また、認知症施策を推進するため、内閣に首相を本部長とする認知症施策推進本部を置き、認知症施策推進関係者会議を開催することとした。
さらに、基本的施策として、認知症の人の社会参加の機会の確保、雇用継続と就職のための事業主に対する啓発、早期発見・早期診断・早期対応へ地域包括支援センター・医療機関・民間団体の協力体制を整備することなどを挙げた。
なお、「世界アルツハイマーデー」である9月21日を「認知症の日」とし、9月を認知症月間とすることも定めた。