厚生労働省の中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)は12月21日、マイナンバーカードによるオンライン資格確認をめぐり議論した。
来年4月から医療関係機関での導入が原則義務化になるが、顔認証付きカードリーダーが届かなかったり、業者の作業が遅れていたり、光回線が敷設できていない地域や建物があったりするなどの理由でカードリーダーの設置が遅れている。
この日の会合では、厚労省から原則義務化の経過措置とオンライン資格確認導入に伴う時限的な加算が示された。経過措置については異論が出なかったのに対し、加算に対しては支払側委員が反対の意見を述べた。
カードリーダーに関しては、12月11日時点で全医療機関・薬局のうち対象施設の96.1%が申し込みを行っているものの、準備完了施設数は48.38%、運用を開始している施設数は41.0%にとどまっている。
8月以降、3師会や厚労省、都道府県担当者などが集中的に説明会を開催したことで、申し込み数・運用開始数ともに急増したが、それでも来年3月末までに全対象施設への導入が完了しない見込みとなっている。
そこで、厚労省は経過措置として、来年2月末までにベンダーと契約を締結したが、導入に必要なシステム整備が未完了の医療機関・薬局については9月までに、光回線のネットワークが整備されていない場合は回線が整備されてから6カ月までに完了する、などの猶予期限を示した。
一方、時限的な加算は3大臣合意後の大臣折衝により決まったもので、来年12月末まで「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」として、初診・調剤時の追加的な加算と再診時の加算を設定するとともに、加算に関するオンライン請求の要件を緩和することになった。
この加算に対しては、支払側委員が「患者に負担を強いるのは納得できない」「患者・国民の声を聞いていない」などと述べ反対した。