厚生労働省は10月28日、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)医療保険部会に後期高齢者医療制度の見直しに関する論点を提示した。
増え続ける高齢者の医療費を公平に支え合うため、世代間・世代内の負担のありかたを見直す。
世代間に関しては、後期高齢者の1人当たり保険料が制度創設時に比べ1.2倍となっているのに対し、現役世代の1人当たり後期高齢者支援金は1.7倍と、現役世代の負担が大幅に増加している。
そこで、現役世代の現役世代の負担上昇を抑制するため、高齢者負担率のありかたを見直す。
一方、高齢者世代内については、能力に応じた負担を強化する観点から、賦課限度額を引き上げるとともに、現在、1対1となっている保険料の均等割と所得割の比率について、所得割の比率を引き上げる。
また、被用者保険間の格差是正も課題となっていることから、被用者保険者支援のあり方を見直すとともに、前期高齢者の給付費の調整に関して、現行の加入者数に応じた調整に加え、報酬水準に応じた調整を導入することを検討する。
これらの論点に対し、委員からは特に反対の意見がなかったことから、今後、賦課限度額の引き上げ幅など、具体的な議論を行っていくことになるが、複数の委員から制度改革の全体像を示すことを求める意見が出されていた。
なお、この日の会合では国民健康保険の保険料の上限額を2万円引き上げ、102万円から104万円とする案が示され、了承されている。