中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は8月10日、後藤茂之厚労相からのオンライン資格確認に関する加算と看護職員の処遇改善についての諮問に対する答申書を了承した。
支払側委員はオンライン資格確認に関する新たな加算の創設について反対の意見を述べたが、答申書付帯意見に課題が把握された場合に速やかに対応を検討するなどの文言が盛り込まれたことから承認した。
オンライン資格確認に関する加算については、今年4月に導入された「電子的保健医療情報活用加算」を廃止した上で、新たに「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」を設けた。10月から適用される。
現行の加算では、マイナンバーカードを健康保険証として使った場合、通常の保険証を使う場合より患者負担が増える仕組みとなっていることから、見直しが求められていた。
新たな加算では、オンライン資格確認システムを導入した医療機関で、健康保険証により初診を行った場合は月1回4点、マイナンバーカードを使った場合は2点となり、マイナンバーカードを使う方が患者の費用負担が軽くなる仕組みとした。
調剤では6カ月に1回、通常の保険証の場合は3点、マイナンバーカードでは1点の加算を取得できる。
一方、看護職員の処遇改善については、10月から収入を月1万2000円引き上げる。2月に介護職員などともに収入が引き上げられたものの、10月以降の財源確保の仕組みが決まっていなかったが、入院費に上乗せすることで決着した。
なおこの日の会合では、新型コロナの経口薬であるラゲブリオを、8月18日から薬価収載することも承認された。