中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は8月3日、医療DXの基盤となるオンライン資格確認の導入義務付けと、これに伴う診療報酬上の加算の取り扱いに関する後藤茂之厚労相からの諮問を議論した。
現在、診療報酬の請求はオンラインでの請求か光ディスクでの請求が義務付けられているが、現時点で75歳以上の意思や薬剤師などの医療機関・薬局については、例外として紙レセプトでの請求を認めている。
厚労省からはこの日の論点の1つとして、オンライン資格確認義務化についても、現在紙レセプトでの請求が認められている医療機関・薬局を義務化の例外とすることが示された。
この点に関して診療側・支払側とも反対する声はなかったものの、支払側委員からは例外が適用される期限を設けるべきとの意見が出された。
もう1つの論点として提示されたのが、今年度の診療報酬改定で新設された電子的保健医療情報活用加算の取り扱いについて。
患者がマイナンバーカードを利用して診察を受けた場合、加算により患者負担が増える一方で、メリットが感じられない恐れがあるとして、国民・利用者への説明を求める意見が複数の委員から出されていた。
また、厚労省によると、オンライン資格確認で使用する顔認証付きカードリーダーの申し込み数は現時点で全医療機関・薬局の6割、準備完了施設数は3割、運用を開始している施設は4分の1にとどまっている。
この状況を懸念する意見が出る一方、補助金などで導入を促す必要性を指摘する声もあった。