厚生労働省はテクノロジー活用などによる生産性向上の取り組みに関する効果検証のうち、介護事業者からの提案手法について、善光会、SOMPOケア、チャーム・ケア・コーポレーションを実証対象として選定した。7月5日開催の介護給付費分科会で公表した。
この効果検証は①見守り機器などを活用した夜間見守り②介護ロボットの活用③介護助手の活用④介護事業者からの提案手法―の4テーマで、生産性向上の取り組みに関する効果を測定するもの。
実証から得られたデータを分析し、次期介護報酬改定の検討のためのエビデンスの収集を行うことを目的としている。
介護事業者からの提案手法については、介護現場での生産性の向上の取り組みに意欲的な介護施設からの実証に関する提案を受け付け、応募のあった事業者の中から有識者で構成する実証委員会が選定した。
善光会は特養2施設で、これまでのケア記録に追加で取得が必要なデータを推測して記録。これらの記録と、複数の介護機器・センサーにより記録したデータを合わせたデータ群を分析し、介護アウトカムに影響を与えるケア因子の特定を図る。
SOMPOケアは特定12施設で見守り機器や体位変換機器、入浴支援機器などのテクノロジー導入による介護の品質改善、介護補助者・外部業者の活用による介護職員の負担軽減、チャットツールによるリアルタイムでの情報共有などに取り組む。
チャーム・ケア・コーポレーションは特定3施設で、見守り機器・インカムの活用による夜勤業務軽減、高機能のおむつを使用することによる夜間おむつ交換回数の削減による夜間良眠ケアなどを実践する。
一方、見守り機器などを活用した夜間見守りについては、夜間の人員配置の変更も視野に、見守り機器を複数導入することで、ケアの質の確保と職員の負担軽減が可能かを実証する。
介護ロボットの活用に関しては、移乗支援(装着・非装着)、排泄予測、介護業務支援に関する機器を導入し、効果を測定。介護助手の活用では、介護助手の業務と役割分担を明確化し、介護助手導入によるケアの質の確保、職員の業務負担軽減の効果を検証する。
スケジュールとしては、6・7月に事前調査、10・12月に第1回と第2回の事後調査を実施し、12~3月にデータ分析・実証結果の取りまとめを行う。