社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)障害者部会は5月27日、前回に続き障害者総合支援法改正法の施行後3年の見直しに関する最終報告に向けて各委員が意見を述べた。
今回は会場参加の委員の間で医療と福祉の連携をめぐって議論となり、改めて対面で会合を行うことの重要さが認識された。
医療と福祉の連携に関しては、まず櫻木章司・日本精神科病院協会常務理事が「医師の意見書をもっと活用できる方法はないかという提案をしたが、前回の議論では従来以上にマネジメントに医師が関わることに慎重であるべきとの意見があった。どうして慎重であるべきかという背景・理由を明示してほしい」と要望を述べた。
これに対し、菊本圭一・日本相談支援専門員協会代表理事は「本人の自宅でケア会議を実施しようとしても、医療機関が地域に出てくることはほぼない。かかりつけ医を持っていない人もいる。医師の意見書をすべての人に適用となると、費用と時間もかかる。推進する体制が弱い中では慎重な議論が必要ではないかということで、前回意見を述べた」と指摘した。
また、丹羽彩文・全国地域生活支援ネットワーク事務局長は「障害支援区分管理事業の委員をしているが、課題になっているのは、各都道府県での医師意見書の研修に医師が多忙で出てこられないこと。意見書の記述についてもばらつきがある。書き方のフォーマットのようなものを作成するとも必要」との見解を示した。
こうした議論に関して櫻木委員は「意見が交換できたのは良かった」、座長を務める菊池馨実・早稲田大学法学学術院教授も「いろいろな考え方があるのは当然で、議論を重ねていくことが大切」と肯定的な見方を示し、リモート参加者からは対面での議論に加われなかったことを残念がる声もあった。