厚生労働省の在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループは3月9日、第2回会合を開催し、第8次医療計画策定に向けた在宅医療に関して構成員が意見を述べた。
論点としては在宅医療などの整備量、医療機関の役割分担やグループ化、多職種連携、在宅医療・介護連携などが厚労省から示された。
このうち整備量については、機能強化型訪問看護や医療的ケア児に対応する事業所数、医療的ケア児数の予測などが必要とする意見があったほか、中山間地域での公共交通機関の有無、通院可能な状況などを勘案した上で整備量を検討する必要があるとの声もあった。
また、グループ化や多職種連携などでは、24時間対応に向けたかかりつけ医・在支診・在支病による緩やかなグループづくり、訪問看護ステーション同士、ステーションと医療機関との連携などの重要性が指摘された。
一方、1月の埼玉県での訪問診療医殺害事件に関連して、複数の委員が訪問診療などの安全性について意見を述べた。
このうち、全国在宅療養支援医協会常任理事の島田潔構成員は、事件を受けて実施した会員への緊急アンケート調査の結果を紹介した。
それによると、理不尽な要求・クレームが毎年あるいは数年に一度あるが58%、いやがらせ行為や威嚇・恐喝が20%、亡くなったことを受け止められないことでトラブルになったが20%。身の危険を感じる経験を毎年あるが5%、数年に1回を合わせると20%近くあることが分かった。
島田構成員は「医師だけでなく、看護師など女性スタッフも多いので、在宅医療を提供する従事者に対して安全確保を考えて必要がある」と指摘した。