厚生労働省は12月8日、PCR検査と抗原検査の保険点数を31日に引き下げる案を中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)=写真=に提案し、承認された。
通常は次期診療報酬改定時の来年4月1日から改定されるが、11月12日の新型コロナウイルス感染症対策本部の「実勢価格を踏まえて保険収載価格の検証を行い、その結果を踏まえて、年内を目途に必要な見直しを行う」との決定を踏まえ、前倒しして見直すことにした。
PCR検査については現在、医療機関への委託の場合は1800点、感染物輸送を行わずに大学病院内などで検査する場合は1350点算定されている。これをいずれも700点に引き下げる。
ただし、委託については激変緩和のための経過措置として、12月31日から来年3月31日まで1350点とし、感染状況や医療機関での実施状況を踏まえた上で来年4月1日に700点にするとした。
抗原検査については、現行は定性・定量ともに600点だが、定性は300点、定量は560点に引き下げる。
この提案について、支払側委員の松本真人・健康保険組合連合会理事は「妥当な対応」と評価した。
一方、診療側委員の城守国斗・日本医師会常任理事は、了承しつつも「価格は地域差が生じる。コストと点数のバランスで、現場に大きな負担が生じないように実態を把握して対応してほしい」との要望を述べた。