厚生労働省は10月22日、来年度の国民保険料と後期高齢者の医療保険料の賦課限度額をそれぞれ3万円と2万円引き上げる見直し案を、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)医療保険部会=写真=に提示した。
中間所得層の負担を軽減し、高所得層がより多く負担することが目的。国保は新型コロナの影響により、今年度の賦課限度額の引き上げは見送っていた。3万円引き上げることで、賦課限度額は82万円から85万円になる。
引き上げを行わないと、限度額対象世帯の割合は今年度の1.52%から1.68%に増えるが、引き上げることで1.58%と今年度並みになる。
後期高齢者医療保険の賦課限度額は64万円から66万円となり、据え置いた場合の対象者の割合である1.36%から1.29%へと減少し、今年度の速報値1.20%に近い値となる。
この日の医療保険部会では、これ以外に次期診療報酬改定に向けた基本的視点として4つの視点を示し、このうち「感染症に対応できる医療提供体制の構築」「医師などの働き方改革の推進」を重点課題として提案した。
また、20日に本格運用が始まったマイナンバーカードを健康保険証として利用できるオンライン資格確認については、同日時点で運用開始施設数が5.1%にとどまっていることが示された。
委員からは2023年3月末におおむね全ての医療機関での導入を目指すとの政府の方針に向け、タイムスケジュールを含めたアクションプランの作成を求める意見が出された。