新田クリニックを初めて受診した外来患者さんに、「私のかかりつけ医になっていただけますか」と言われ、喜んで、と答えた。これまで都心の企業に勤め、会社近くのクリニックにかかっていたんだけど、定年退職したから、という。大都市のサラリーマンには…
第28回 かかりつけ医・機能をめぐる議論が活発になっている
日本医師会の医療政策会議は、かかりつけ医・かかりつけ医機能のあり方についてワーキンググループを作って議論している。私はそのメンバーの一人で、このほど第1次報告を公表した。
新型コロナの流行は、日本の医療提供体制の問題点をいくつか明らかにしたが、かかりつけ医のあり方は…
第27回 日本人のメンタリティと終末期
■65歳でステージ4の胃がん
前回に続いて、患者の意思決定についてもう少し考えたい。今回紹介するのは65歳の男性で、今年6月下旬、病院に紹介されて新田クリニックを初診された。病名は胃がん、ステージ4であった。
2月初めに病院を受診し、この月の中旬から外来で抗がん剤による治療が開始された。3月、担当医が交替して…
日本在宅ケア・サミット2022を開催
7月17日、一般社団法人日本在宅ケアアライアンス(新田國夫理事長)が「日本在宅ケア・サミット2022 いのち・くらし・生きがいを支える」を開催した(東京大学・伊藤謝恩ホールとオンラインによるハイブリッド形式)。主催者によると会場とオンラインで500人以上が参加した。
同アライアンスは医療・介護に関連する団体が結集して…
第26回 意思決定とパターナリズム
■86歳の初診患者が外来に
5月、初診患者が新田クリニック外来に来られた。86歳男性で、頭頸部がんが見つかったという。すでに都内の大学病院の口腔外科と腫瘍科にかかっていて、これから治療法が決まると話す。
そうですか、と話を聞いていると…
第25回 家の前で転倒した98歳にすべきことは
■通りかかった人が119番
私の自宅の6軒先に、98歳の女性がひとりで住んでいる。その女性は重度の認知症で、今の日課は家の前の道路を掃除することだ。冬も夏も、毎日掃除する。近所の人も知っていて、それとなく気にかけている。
先月のある日、朝6時ごろ、女性は家の前で倒れ…
7月に「サミット」開催 在宅ケアアライアンス
一般社団法人日本在宅ケアアライアンス(新田國夫理事長)は7月17日、都内で「日本在宅ケア・サミット2022 いのち・くらし・生きがいを支える」を会場とオンラインによるハイブリッド形式で開催する。...
第23回 患者の意思決定と医療の限界
現代医療では、患者の意思決定を尊重する。病気をどう治療するかを決定するとき、医療側は患者に対し、病気やその治療について説明を尽くす。患者はそれらを十分に理解したうえで決定し、医療側は…
第22回 いわゆるかかりつけ医から本来のかかりつけ医へ
新型コロナはかかりつけ医のあり方をつきつけた。私は、いわゆるかかりつけ医ではなく本来のかかりつけ医が必要と痛感している。内閣府主催の「令和3年度 高齢社会フォーラム 第1分科会」でパネリストを務め、このことについて話した。
■患者の社会的問題に目を向ける
「老年学は医療のみで語れるものではない。老齢者自身と…
第21回 ポストコロナの保健所の役割は
1月なかば、保健所連携推進会議東京ブロックの会合に招かれ、保健所に求められる健康危機管理について話した。15年も前から超高齢社会となっている日本で、新型コロナが流行している。このことは保健所の健康危機管理にどう影響しているのか。
■健康危機管理で中核的役割
健康危機管理とは、「医薬品、食中毒、感染症、飲料水その他何らかの…
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