室内環境にも着目した見守り機器「まもる~の」 新製品を9月に発売〔ZIPCARE〕🆕

2022年 8月 24日

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 ZIPCAREの見守り機器「まもる~の」は、室内環境のデータを取得することで高齢者の「睡眠の質」の改善につなげることや、多機能でありながら低価格であることなどが特徴だ。9月には施設向けの現行製品をバージョンアップした新製品「まもる~のSHIP」を発売し、さらなる普及を目指す。

「睡眠の質」把握へ環境データも取得
 ZIPCAREは制御盤の製造やインフラ事業を行う東洋電装(広島市)の社内ベンチャー。介護施設のネットワーク構築も手掛けていたところ、「見守り機器が介護施設の10%程度にしか導入されていないことを知り、参入の余地があると考え」(同社事業推進室の坂本創志氏)、事業化することにした。

 まもる~のはエアバッグセンサーと本体で構成されている。エアバッグセンサーは長さ95cm、幅5cmの細長く薄い板状で、マットレスの下に置く。本体とはコードで結ばれている。環境センサーが入る本体は高さ12.2cm、幅9cmで、フックによりベッドの頭の部分に設置する。電気は家庭用のコンセントから取る。

 エアバッグセンサーで呼吸・在床・離床・体動・睡眠レベル・脈拍のバイタルデータを、まもる~の本体では気圧・照度・温度・湿度という室内の環境データを取得する。この環境データの活用がまもる~のの特徴の1つとなっている。

まもるーの設置イメージsize

設置イメージ

 坂本氏によると、室内環境に着目したのは「施設の職員が最も注意しているのは高齢者の転倒だが、根本的に解決するためには生活のリズムや『睡眠の質』が重要と考え、それを把握するには環境データが必要と気付いた」ことから。

 例えば、梅雨の時期になると寝つきが悪くなる人がいた場合、湿度なども含めて考察することで、その原因を分析することが可能になる。

 あるいは、サービス付き高齢者向け住宅で熱帯夜なのに利用者がエアコンを付けずに寝ていたり、冬なのに窓を開けたまま寝てしまったり、暑いだろうと考えてエアコンを付けたらかえって眠れなくなったりといったことが、環境データにより気付けるわけだ。

新製品ではシステムをクラウド化
 現行製品である「まもる~のStation」では、取得したデータは施設内にあるWi-Fiを通じて管理用のパソコンに送る。

 パソコンで施設全体の安否確認を一目で行うことができるため、夜間の定期巡回を行う必要がなくなる。これにより、介護業務の負担を減らせるだけでなく、ぐっすり寝ている利用者を起こすことも避けられる。

 新製品はシステムをクラウド化するとともに、チャット・インカム・カメラの各機能を追加した。クラウド化により、ソフトウエアはアプリで更新されるようになる。

 これまではアップデート代が必要だったり、買い替えたりする必要があったが、それらに比べはるかに安いクラウド利用料により、自動で最新バージョンに更新されるようになる。

 また、利用者の家族はアプリケーションをインストールすることで状況をリアルタイムで把握し、介護施設との情報共有が可能になる。

 職員が利用者や環境データをスマホで見られ、何か変化があった場合はスマホに「徘徊検知」「温度異常」などの通知が届くのは旧製品と同様だが、デザインや情報の内容・量などについては、製品を導入している50施設の職員にヒアリングを行い、職員にとってさらに使いやすいように改善した。

 新機能のうち、カメラ機能については主な用途が2つある。1つは利用者とのコミュニケーション。

 例えば利用者が離床すると、通常は直ちに利用者のもとに駆け付けるが、カメラを通じて声掛けをすることで、まずは利用者にその場にとどまってもらい、その上で職員が訪室するという手順を踏むことができるようになる。

 もう1つは常に録画して、2週間分のデータがたまるようになっていることから、トラブルが生じた際の証拠として使うことができる。

オプションセンサーがカメラの代わりに
 ただ「施設からの要望もありカメラ機能を追加したが、本来、カメラがなくても十分に対応できるようなシステムになっている」と坂本氏は指摘する。

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坂本創志氏

 オプションの「まもる~の+plusプラス」によりオプションセンサーを付けることで、いろいろなデータが取れ、カメラ画像の代わりとなる状況把握が可能になるからだ。

 例えば、ベッド周りのオプションセンサーとして、利用者がベッドサイドに寄ったことを検知する「ベッドサイドセンサー」や、ベッドから起き上がったことを検知する「ベッドセンサーバッド」、足を乗せたことを検知する「フロアセンサー」など、6種類のセンサーを用意している。

 これらのセンサーは全て必要なわけではなく、利用者の状況に応じて、どれか1つを選んで基本システムに追加することで、転倒防止につながるデータを得ることが可能になる。

 また、ベッド以外のデータとして「トイレセンサー」「チェアセンサーパッド」「ドアセンサー」「赤外線センサー」もある。

 トイレセンサーとチェアセンサーは、トイレと車いすからの立ち上がりを、ドアセンサーと赤外線センサーは部屋の出入りを検知し、ベッド周りのセンサーと組み合わせることで、より詳細に利用者の状況を把握することにつながる。

 プライバシー尊重や家族の理解が得られないなどの理由からカメラ機能を求めない施設もあることから、そうした施設にはこれらセンサーの利用を提案している。

在宅と施設のシームレス化へ
 これだけ豊富な機能を付けると、通常は40万~50万円程度の価格になるそうだが、同社は企業努力により、新製品の価格を1台13万円に抑えた。

 小規模の施設が導入しやすかったり、テスト導入に対応したりするため、1台4500円/月でレンタルできるサブスクプランも設けた。その際、1台からでもレンタル可能だが、複数台導入することによって使用感や介護方法の見直し、職員の働き方の変化などが明瞭になることから、複数台の導入を勧めている。

 さらに、「まもる~のサポート」の提供も検討している。運用までサポートしないと定着しないことがあるため、1台当たり500円の追加料金により、使えるようになるまでサポートするものだ。

 今後については、まずコメントの充実度を図っていくことを考えている。現在のリアルタイムの状況通知だけでなく、1週間や1カ月単位のデータをAIが分析した上で、例えば認知症が進行している可能性があるなどのコメントを、職員に通知するような仕組みの構築に取り組んでいる。

 また、同社には施設向け製品のほか、在宅向けの「まもる~のONE」がある。仕様は施設向けと同様で、何か変化があった場合、家族のスマホに通知が行く仕組みになっており、これが活用されるようになれば、1人暮らしの高齢者も安心して過ごせるようになる。

 「家族や地域できちんと見守れるようになれば、より多くの高齢者が在宅で過ごせるのではないか」と坂本氏は考えており、在宅介護と施設介護のシームレス化を将来的なビジョンとして描いている。

 ちなみに、まもる~のONEには不動産会社が注目するようになっている。同システムを導入して、何かあった時に管理会社のスタッフが駆け付けるようにすれば、敬遠されがちな高齢者の入居が促進されると想定されるからだ。坂本氏はこうした用途での使用にも期待している。

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