〈医療と介護2040 管理者01〉の記事一覧
第1回 第2の人生を風光明媚な地で

第1回 第2の人生を風光明媚な地で

 「コロナコロナで都会は住みにくいので移住しよう」ということで移住したわけではありません。50歳代半ばから自分の高齢期をどこでどのように暮らすかを考え「風光明媚なところで、花や野菜に囲まれて暮らしたい」と考え、今から4年前、還暦と同時に八ヶ岳南麓(山梨県北杜市)に移住したのです。
■さて何をしよう…サービス立ち上げに挑戦
 移住はしたものの、さて何をしようか…。社会人になってから還暦までの約40年間を、東京で訪問看護・在宅ケア・認知症の方のケアに没頭して取り組んできた身。野菜作りだけをやっていくことは多分無理。そこで、東京での経験をもとに、移住先の地域で不足していて、かつ、私が取り組めるサービスの立ち上げに挑戦することにしました。
 移住先の地域の事情をゆっくりと把握して……

第1回 介護施設の新しい生活様式

第1回 介護施設の新しい生活様式

■利用者も家族も職員もストレスをためている
 筆者は「介護弁護士」である。高齢者・障害者介護の現場で起きるトラブル解決を専門として開業し、11年になる。
 今年、誰もが想像しなかった世界的事件が起きた。新型コロナウイルス(コロナ)の影響で、人々の交流が分断され、数名で集まることもできなくなった。介護施設も例外ではなく、家族の面会や利用者の外出は禁止された。それでも全国の施設で陽性者が出始め、ひいてはクラスター(集団感染)が勃発する施設が相次ぎ、連日のように報道された。高齢者は特に抵抗力が弱く、基礎疾患もあることから1人でも陽性者が出現すればあっという間に感染拡大してしまう。見えない敵の襲撃に晒されながら、外部との接触を極力遮断し、戦々恐々とする日々が続いた。
 2020年7月現在、緊急事態宣言は解除され、都道府県間の越境も可能となった。未だマスク着用、ソーシャルディスタンスは維持されているが……

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第1回 新型コロナから患者様とスタッフを守れ

第1回 新型コロナから患者様とスタッフを守れ

 薬剤師として在宅訪問を長年続けています。今回のCOVID19(新型コロナウィルス感染症)の出来事は、今までの経験では対応できない大きな課題と受け止め、その時々の新たな情報をふまえながらも、薬剤師としてすべきことはなにかという理念に基づき、対応策を模索しながら行動しています。

 COVID19は2019年12月8日に中華人民共和国湖北省武漢市で最初の肺炎患者が発症したとされ、やがてその原因が新型コロナウイルスと判明しました。日本国内においても、2020年1月14日に新型コロナウイルスに関連した肺炎患者1例の発生が報告されました。ただ私はこの時点では、日本ではなく中国の出来事で、それほど大きな問題とはとらえていませんでしたし……

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第1回 データ分析しても地域課題が見えないのはなぜ?(上)

第1回 データ分析しても地域課題が見えないのはなぜ?(上)

■データ分析の時代の戸惑い
 大量のデータを前に途方に暮れる。
 果敢にデータ分析に取り組んだ自治体のよくある姿です。「とりあえずデータ分析」というアプローチは、しばしば「データはいっぱいあるけど、何を見たらよいか、わからない」という状態を招きます。私も、委託事業で分厚いデータブックを作ったことがありますが、作った当人たちには発見が多くても、現場レベルでの活用には課題が残ることが少なくありません。
 データ分析は、地域マネジメントや課題分析に不可欠なこともあり、特に、国が中心になってデータベースの構築を進めてきました。「介護DB」や「見える化システム」、国保のKDBなどが実装され、私たちコンサルタントにとっては、かなり便利になっています。現在は、さらにリハビリテーション関係の「VISIT」や……

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在宅の高齢患者が陽性となったら入院しなければならないのか(上)

在宅の高齢患者が陽性となったら入院しなければならないのか(上)

新田國夫
新田クリニック院長、日本在宅ケアアライアンス議長
■訪問でウイルスを持ち込んではならない
 新型コロナウイルス感染症は在宅医療に何をもたらすのだろうか。厚生労働省の報道発表資料によると、日本国内で最初の患者が確認されたのは今年1月14日だ。しばらくして2月上旬、横浜港に停泊していたクルーズ船内での感染が明らかになり、船内の感染者が徐々に増えていった。正直なところ、このころは他人事のような感覚で見ていた。
 在宅療養の患者は85歳以上の方やがん、難病の方が多く、発熱は珍しいことではない。在宅患者が発熱すれば、我々医師は、原因を探るために採血して白血球、CRP等の数値を調べる。その数値が高ければ、診察での所見と併せて感染症と診断をつける。外来や入院の患者と同じ過程である。
 2月ごろまでは……

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高齢者政策の揺籃期—医療と介護の来歴を語る①

高齢者政策の揺籃期—医療と介護の来歴を語る①

髙橋紘士さんが毎回ゲストを招き、医療・介護や社会保障を縦横に語り合います。
最初のゲストは元厚生労働省の中村秀一さんです。
【髙橋】 このウェブマガジンの名称に入っている2040は西暦2040年を意味します。2039年に高齢者の死亡数がピークの167万人に達し、2040年は団塊ジュニアが高齢者にさしかかり、2042年には高齢者数が最多の3387万人と予測される…という、多死社会・超高齢社会が天井に到達する時代です。団塊世代は95歳ぐらいになっています。
(略)
 一方では、社会保障というのは市場経済にとって足手まといであり、成長の足かせである、という見方が流布しています。テクノロジーが進歩することや市場が潤うことだけを是とするような風潮もあるし、未来を直視しないで物事が捉えられているようです。医療・介護では、介護予防を推進して健康寿命を延ばせば医療費が安くなるという説が唱えられていますが、専門家はこのような見方に批判的です。
■介護保険の前史としての社会保障
【高橋】 将来と過去のはざまで、立ち止まって考えてみたいと思います。中村さんは現役官僚だった時代に、介護保険の創設や改正を始めとする社会保障の重要政策に節目節目で関わってこられました。また、近年は社会保障の将来像を検討した「社会保障と税の一体改革」に事務局の責任者として関わってこられました。医療と介護の来歴について、改めて伺いたいと思います。
【中村】 将来と過去のはざまということでは、医療・介護のジャンルでは介護保険を軸に考えると、ちょうど今が2040年に向けての折り返し点です。介護保険がスタートしたのが2000年で、今は2020年ですから。
 来歴を語る上では、前史としての社会保障、すなわち介護保険創設前の社会保障も語らなくちゃいけないと思うんです。過去にさかのぼると、新しい社会保障制度は第2次世界大戦後にスタートしました。国民皆保険・皆年金が1961年(昭和36年)で、老人福祉法が1963年。1970年代にこれらの運用が本格化して、今の制度と直接つながっていきます。
 1990年(平成2年)は、いわば分水嶺でした。戦後ずっと右肩上がりだった日本経済は、このころのバブル景気を最後に下降に転じます。バブルが弾けて30年ほどたちますが、経済はあまり回復していません。
 平成に入って少子化が問題となりまして、20世紀終わりごろの社会保障は……

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