TXP Medical(東京都文京区)は2月2日、救急隊と救急医療機関との間の情報連携「病歴情報とバイタルサインを含めた救急搬送情報連携」の実証実験を、昨年12月10日から広島県で開始したと発表した。
救急患者の情報をクラウドにより連携することで、救急隊と病院間の情報連携をスムーズにすることが目的。同社と福山府中圏域メディカルコントロール協議会(福山地区消防組合・福山市医師会を含む)、福山・府中地域(福山市・府中市神石高原町を含む)保健対策協議会の3者が共同して行っている。
救急隊側利用イメージ
システムは救急隊が患者情報入力に利用するモバイルシステムと、救急隊の入力した患者情報を病院側が確認するために利用する病院側データ参照システムの2つで構成されている。
今回の実証では、モバイルシステムに同社の「NEXT Stage mobile」、データ参照システムには同「NEXT Stage Cloud」システムなどを利用している。搬送前の救急隊・病院間の患者情報即時連携機能、搬送後の救急隊情報の電子カルテ連携機能はいずれも国内で初めてだという。
これらのシステムの導入により、これまで紙と電話で実施していた救急隊と病院との情報共有をデジタルで代用でき、救急隊・医療機関の業務負担軽減に貢献する。さらに、新型コロナの流行に伴い、救急患者受け入れ先の決定が通常より困難になっている、と言われる状況を改善することも見込まれる。
今後は3月をめどに効果測定・評価を実施する予定で、結果を踏まえて来年度以降の本格導入について検討を進めていく。