MCSの栄養管理アプリ 登録者数が3000人突破

2020年 10月 23日

 医療介護連携SNS「メディカルケアステーション(MCS)」を運営するエンブレースは10月22日、今年6月にリリースした「栄養管理アプリ」が、3400人の利用可能ユーザー(医療介護従事者)登録を突破したと発表した。

 同アプリはMCS上で、無料で利用できる追加機能。低栄養の予防や栄養介入を早期に実現するため、患者の栄養状態について評価・スクリーニングを行う。

 具体的には、簡易栄養評価表(MNA- SF)に基づいた6つの質問に回答することで、患者の栄養状態を3段階(14点満点)で評価する。スクリーニング結果はMCSの患者グループの医療・介護側タイムラインに表示されるため、栄養介入内容を患者グループのメンバー間で相談・共有でき、低栄養の結果が出た場合など、必要に応じて管理栄養士へ問い合わせることができる。ただし、MCS上で問い合わせることはできない。

 現在、日本では高齢患者の低栄養が課題となっており、特に在宅医療患者の約7割は低栄養状態というデータもある。低栄養になると、体重の減少や筋肉量・筋力・気力・認知機能・免疫力・骨密度の低下などが起こり、高齢患者の治療の効果が出にくい、あるいは明確な疾患がないのに体調がすぐれないなどの原因になる。

 また、フレイル(加齢とともに心身の活力が低下すること)との関連が強く、フレイルの進行を予防するためにも、低栄養の早期発見と対応が重要になっている。

 このような課題を解決するため、エンブレースは高齢患者の栄養状態を早期に発見し、必要に応じて栄養介入を実現する栄養管理アプリの提供を開始。このほど、医療介護従事者の利用可能登録ユーザーが3400人を超え、300施設以上の多職種の人に利用してもらうまでに成長した。

 同アプリを利用している東京・豊島区の土屋淳郎・土屋医院院長は「これまで医師は経腸栄養剤を出す以外の武器を持っていなかったが、そこに管理栄養士さんがアドバイスをプラスしてくれるので助かる。医師はこれによって栄養について学ぶことができるし、栄養管理に不慣れでも、他のスタッフとみんなで意思共有しながら対策を取れるのがいい」と話している。

このカテゴリーの最新の記事

このカテゴリはメンバーだけが閲覧できます。このカテゴリを表示するには、年会費(年間購読料) もしくは 月会費(月間購読料)を購入してサインアップしてください。

NTTが上越市の介護事業所で56%の業務効率化を実証🆕

 上越5e協議会と丸互(新潟県上越市)、NTT東日本は、2024年8月から25年3月まで上越市の複数の介護事業所で「tsuzumi」を活用した業務効率化を目的とする実証事業を行い、業務効率を56%向上させることに成功した。  tsuzumiはNTTが開発した、軽量でありながら世界トップレベルの日本語処理性能を持つ大規模言語モデル(LLM)。同グループでは、これを使った商用サービスを24年3月に開始した。...

遠隔リハビリ実現へ 上肢・肩甲骨運動データ公開🆕

 NEDOが進める「人工知能活用による革新的リモート技術開発事業」で、産業技術総合研究所(産総研)と京都大学、東京大学、セイコーエプソン、エブリハは、遠隔でリハビリテーションができる社会の実現に向けて、上肢・肩甲骨運動に特化した世界初のオープンデータセットを公開した。  同事業では、リハビリ利用者がリハビリやトレーニングを継続する上で直面するさまざまな課題に着目し、各リハビリプロセスを遠隔で実現するリモート技術基盤のプロトタイプの開発を進めてきた。...

耳を塞がない「軟骨伝導ヘッドセット」を発売

 サイエンスアーツ(東京都渋谷区)はオーディオテクニカ(東京都町田市)と共同開発した、耳を塞がない軟骨伝導ヘッドセット「Buddycom Open(バディコムオープン)」の販売を開始した。
 
 介護・医療・小売業界向けに設計され、現場でのスタッフ間の連携を強化しながら、周囲の音をしっかりと聞き取れるのが特長。
 
 従来のインカムイヤホンは耳を塞ぐため、入居者の小さな声や異変を聞き取りにくくなるという課題があった。また、有線イヤホンは業務中に引っかかるリスクがあり、現場での動きやすさを妨げる要因となっていた。
 
 Buddycom Openは、オーディオテクニカと連携し、快適な装着感と優れた音質を両立した。耳を塞がない構造により、入居者の声やナースコール、緊急アナウンスを聞き逃さずに…

介護記録とセンサー情報を統合するソフトが連携

 カナミックネットワーク(東京都渋谷区)の介護記録ソフト「カナミッククラウドサービス」と、トライト(東京都品川区)のグループ会社であるbright vie(愛知県名古屋市、ブライト・ヴィー)のさまざまなバイタル・見守りセンサーのデータを取得・分析する「ケアデータコネクト」が連携した。
 
 介護施設では業務効率化の取り組みの一環として、バイタル・見守りセンサーなどさまざまなセンサー群が使われている。
 
 しかし、IoT機器を複数利用することにより、どの情報を確認すればいいのかわからないという問題や、センサー情報の確認をした上でケアを行う際に記録に手間がかかるなど…

LINE WORKSと北見赤十字病院が連携協定

 LINE WORKS(東京都渋谷区)は、北海道北見市の北見赤十字病院と、オホーツク三次医療圏を中心とした地域貢献に関する包括的な連携・協力を推進するための連携協定を締結した。
 
 北見赤十字病院を含めた地域の医療機関との連携に「LINE WORKS」を活用し、診療と患者対応、患者の紹介や転院などの相談を行う。
 
 また、地域の介護・福祉施設間と医療機関間の連携にもLINE WORKSを通じて、患者対応の相談、患者の紹介・施設入所などの問い合わせを行う。医療機関内や介護・福祉機関内での各種情報共有ツールとしても活用する。

1週間無料でお試し購読ができます  詳しくはここをクリック

新着記事は1カ月無料で公開

有料記事は990円(税込)で1カ月読み放題

*1年間は1万1000円(同)

〈新着情報〉〈政策・審議会・統計〉〈業界の動き〉は無料

【アーカイブ】テーマ特集/対談・インタビュー

コラム一覧

【アーカイブ】現場ルポ/医療介護ビジネス新時代

アクセスランキング(4月14-20日)

  • 1位
  • 2位
  • 3位 90% 90%
メディカ出版 医療と介護Next バックナンバーのご案内

公式SNS