日本初のAI新医療機器を発売 アイリス

2022年 12月 21日

 AI医療機器ベンチャーのアイリス(東京都千代田区)は、AI搭載の咽頭内視鏡システム「nodoca(ノドカ)」を使ったインフルエンザ診断の保険適用開始を受け、12月23日から全国の医療機関向けに一般販売を開始する。

 nodocaは日本で初めて「新医療機器」として製造販売承認を取得したAI搭載医療機器。咽頭の画像と問診情報をAI解析し、感染症に特徴的な所見などを検出することで、インフルエンザの診断補助に使うことができる。

 主な特徴は患者の痛みが少なく、判定結果が得られるまでの時間が短いこと。

 前者については、専用の咽頭カメラを患者の口腔内に挿入し、撮影するだけなので患者の負担は最小限で済む。

 治験時のNRSによる痛みの評価は平均0.8と低く、患者に優しいインフルエンザ検査を提供できる。実際、治験参加者の90.6%が「今後はnodocaの検査を受けたい」と回答しているという。

 後者に関しては、判定開始から数秒ないし数十秒で判定結果が得られるため、患者に待合室に戻って待ってもらうことなく、その場で検査結果を伝えることができる。

 nodocaを使ったインフルエンザ診断は、12月1日から保険適用されている。AI医療機器を用いた診断への新機能・新技術(C2区分)での保険適用も、日本で初めて。診療報酬は、既存検査法と同等の305点(3050円)となる。

 nodocaのAIアルゴリズムは、延べ100以上の医療機関、1万人以上の患者の協力で収集された、50万枚以上の咽頭画像データベースを基に開発された。

 AI解析に適した咽頭画像を撮影するための専用カメラは、自社で独自に設計・開発しており、口腔内・咽頭をクリアに撮影することができる。

 インフルエンザ濾胞(ろほう)がインフルエンザの診断に有用であることは、内科医の宮本昭彦医師の発見と報告により知られていた。

 インフルエンザ濾胞を視診のみで高精度に見分けるには、熟練の医師による判断が必要とされていたが、nodocaにより熟練医の視診をAIで再現することが可能になった。

このカテゴリーの最新の記事

このカテゴリはメンバーだけが閲覧できます。このカテゴリを表示するには、年会費(年間購読料) もしくは 月会費(月間購読料)を購入してサインアップしてください。

青梅の総合病院で「ユカリアタッチ」運用開始

 ユカリア(東京都千代田区)が開発・販売する医療従事者向けベッドサイド情報端末「ユカリアタッチ」が東京都青梅市の市立青梅総合医療センターで運用開始した。  ユカリアタッチの主要機能のひとつである「電子化ピクトグラム」は、患者の安静度や禁飲食、アレルギー情報や医療・看護上の個別注意事項などを分かりやすいイラスト記号として表示することにより、医療従事者間 の円滑な情報共有に貢献する。...

訪問向けスケジュール管理ソフトの機能を向上

 訪問看護・訪問介護向けスケジュール管理クラウド「CareMaker(ケアメーカー)」を展開するCareMaker(東京都中央区)は、ケアプラン・サービス計画の管理機能をアップデートした。  事業所における月末・月初のサービス計画更新業務を効率化するとともに、計画に対して訪問予定の割り当て状況の確認を容易にし、抜け漏れ防止にもつながる。  訪問看護・介護サービスは、業務特性上、ケアマネジャーから毎月サービス計画の共有と、それに伴う更新に加え、計画通り予定が登録できているかどうかの確認作業が生じる。...

重心・医ケア児者の母親が働くカフェが完成

 社会福祉法人「あいの実」(仙台市)は、重症心身障害や医療的なケアを必要とする子を持つ母親が社会参加できる環境づくりを目指し、クラウドファンディングを活用してカフェを建設した。  建設に際しては、READYFORによるクラウドファンディングで223人の支援者によって約400万円が集まった。今後、カフェでの就業訓練やプレ・オープンなどを経て、4月に正式オープンする予定だ。  重症心身障害児者・医ケア児者の家族は「普通の暮らし」からほど遠く、特に医ケア児の母親の就労機会は非常に限られている。...

「HitomeQ コネクト」と「ケア樹」が連携

 コニカミノルタQOLソリューションズとグッドツリーは、介護施設向け総合コミュニケーションツール「HitomeQ(ひとめく)コネクト」とクラウド型介護ソフト「ケア樹(けあき)」の連携を開始する。このサービスに関する無料ウエブセミナーを1月30日(火)午後2時から開催する。
 
 HitomeQ コネクトは介護サービス事業所が行う、家族への一斉連絡や面会予約管理、文書送付・同意取得、安否確認など、さまざまなコミュニケーション機能を備えた総合アプリケーションである。
 
 全国300施設以上の介護事業所に導入され…

災害対策支援にキャンピングカーを貸与 JRVA

 日本RV協会(横浜市、JRVA)は石川県珠洲市からの要請を受け、能登半島地震の災害対策支援のため、会員企業のキャンピングカー数十台の貸与を決定した。  これらのキャンピングカーにより、被災地の復興を担う自治体職員と全国各地からの応援職員の宿泊場所となる「RVパーク村」を珠洲市内に設立する。最大120人を対象とし、期間は1~3カ月。今後、他の市町村にも拡大する予定だ。...

1週間無料でお試し購読ができます  詳しくはここをクリック

新着記事は1カ月無料で公開

有料記事は990円(税込)で1カ月読み放題

*1年間は1万1000円(同)

〈新着情報〉〈政策・審議会・統計〉〈業界の動き〉は無料

【アーカイブ】テーマ特集/対談・インタビュー

コラム一覧

【アーカイブ】現場ルポ/医療介護ビジネス新時代

アクセスランキング(5月6日-12日)

  • 1位
  • 2位
  • 3位 90% 90%
メディカ出版 医療と介護Next バックナンバーのご案内

公式SNS