コロナ対策として引き続きリモートでの開催となった
中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)が8月25日に開催され、厚労省が示した在宅医療・訪問看護・在宅歯科医療・在宅患者訪問薬剤管理指導と入院医療に関する次期診療報酬改定に向けた論点をめぐり議論した。
今回がこれらのテーマに関する第1回目の議論ということで、総論的な意見が中心だった。
在宅医療について、複数の委員が指摘したのが在宅療養支援診療所(在支診)の届け出数が横ばいであること。厚労省の調査では、届け出をしない理由について「24時間の往診担当医の確保が困難であるため」との回答が8割以上となっている。
委員からもこれが足かせになっているとして、継続診療加算を充実させることなどにより、他の医療機関との連携を強化する必要性などの意見が出された。
在宅歯科医療に関しては、歯科治療が必要な要介護者が6割以上いるのに対し、実際に歯科治療を受けた人は2%程度にとどまっていると厚労省の調査結果が示された。
また、歯科訪問診療を実施していない理由としては、在宅療養支援歯科診療所では「歯科訪問診療の依頼がないから」が7割を占め、在宅療養支援歯科診療所以外の歯科診療所では「歯科訪問診療に当てる時間が確保できないから」が半分以上を占めた。
委員からは在宅歯科医療が行われていること自体が知られていないことや、歯科医師1人体制の診療所が多く訪問に出かけるのは負担が大きいなどの課題が挙げられ、後者については、ICTを使って情報を得てから訪問することで効率化を図れるようにするなどの仕組みが必要との意見が出された。
入院医療をめぐっては、地域医療構想を後押しするような強い姿勢、新興感染症患者を入院させる体制の必要性、7対1でも病床使用率が8割を越えないと経営が成り立たない現状、医師の負担軽減につながる病棟薬剤師の地域包括ケア病棟や回復期病棟での加算評価など、多様な意見・課題・要望などが出されていた。