厚生労働省は6月21日、社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)障害者部会=写真=に、障害者総合支援法の施行後3年をめどとした見直しに関する論点を提示した。
見直しの議論を開始した当初の論点は、大きく「地域における障害者支援」「障害児支援」「障害者の就労支援」「その他」の4つに分類されていたが、これまでの関係団体からのヒアリングを受け、新たに「精神障害者に対する支援」が付け加えられた。今後、論点をめぐって議論し、年内に報告書を取りまとめる予定。
地域における障害者支援については、グループホームや相談支援、自立生活援助と地域定着支援のあり方、地域生活支援拠点の整備など、障害児支援では児童発達支援と放課後等デイサービスの役割・機能のありかた、「過齢児」をめぐる課題として新たな移行調整の枠組みや移行準備のために必要な制度などが論点として示された。
障害者の就労支援に関しては、企業などに雇用されている間の就労継続支援のあり方、就労系障害福祉サービスの利用を希望する障害者へのアセスメントの制度化、雇用・福祉両分野の基礎的な知識についての基礎的研修の確立、企業などで雇用される障害者に対する地域での定着支援の充実などを議論していく。
精神障害者に対する支援では、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムにおける精神障害者の地域生活を支えるための医療・福祉分野の連携や相談支援体制の構築、ピアサポーターの活用、人材育成、入院中の患者の意思決定支援や権利擁護の取り組みが提示された。
今回は職業安定局の小野寺徳子・障害者雇用対策課長も出席して、委員からの意見や質問に対応した。菊池馨実部会長はこの日の会合で示された「障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会」の報告書が局の垣根を越えてまとめられたこともあり、今後他の部会と議論を共有する工夫を事務局に求めることを委員に提案し、賛同を得ていた。