ヤングケアラー支援策承認 厚労省・文科省PT

2021年 5月 17日

 厚生労働省と文部科学省によるヤングケアラーの支援に向けた福祉・介護・医療・教育の連携プロジェクトチーム=写真=は5月17日、早期発見・把握するための取り組みや国の支援策などを盛り込んだ取りまとめ案を承認した。

ヤングケアラー検討会

 早期発見・把握するため、福祉・介護・医療・教育などの関係機関、専門職・ボランティアなどを対象に、ヤングケアラーに関する研修・学ぶ機会を設けるとともに、地方自治体で現状把握のための調査を行う。

 国の支援策では、各地方自治体が行う支援者団体を活用したピアサポートなどの悩み相談事業(SNSなどのオンライン相談も含む)の支援を検討する。  多機関連携によるヤングケアラー支援のあり方について、就労支援を含めモデル事業・マニュアル作成を実施。福祉サービスへのつなぎなどを行う専門職や窓口機能の効果的な活用など、ヤングケアラーの支援体制のあり方を検討する。

 教育現場へのスクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーの配置を支援するほか、民活による学習支援事業と学校との情報交換や連携を促進する。

 ケアを要する家族と同居する子どもは、中高生であっても福祉機関や専門職から「介護力」と見られ、居宅サービスなどの対象外となることがある。

 そこで、子どもを「介護力」とせず、居宅サービスなどの利用について配意するなど、ヤングケアラーがケアする家族へのアセスメントの留意点などを地方自治体や関係機関に周知する。

 幼いきょうだいをケアするヤングケアラーがいる家庭への支援のあり方を検討する。

 また、社会的認知度向上のため、2022年度から24年度までの3年間をヤングケアラー認知度向上の集中取り組み期間とし、「ヤングケアラー認知度向上キャンペーン」(仮称)を実施する。

 具体的には、ポスター・リーフレットを作成し、学校などに配布して掲示を依頼するとともに、広報動画を作成して国・地方自治体のホームページに掲載する。ヤングケアラーに関する全国フォーラムなど広報・啓発イベントの開催も検討する。

 このキャンペーンのフォローアップとして、社会全体でのヤングケアラーの認知度を調査するとともに、当面、中高生の間で認知度を5割にすることを目指す。

このカテゴリーの最新の記事

このカテゴリはメンバーだけが閲覧できます。このカテゴリを表示するには、年会費(年間購読料) もしくは 月会費(月間購読料)を購入してサインアップしてください。

今後の検討事項を提示 第116回介護保険部会🆕

 12月23日、第116回社会保障審議会介護保険部会が開かれ、「主な検討事項(案)について」「介護保険をめぐる状況について」などが議論された。  同部会が2022年12月に公表した「介護保険制度の見直しに関する意見」をふまえ、今後の検討テーマとして  ①地域包括ケアシステムの推進  ②認知症施策の推進・地域共生社会の実現  ③介護予防・健康づくりの推進  ④保険者機能の強化  ⑤持続可能な制度の構築、介護人材確保・職場環境改善 の5つが提案され、了承された。委員の意見を以下に紹介する。...

包括ケア型の高齢者住宅・施設などが76万戸不足

 タムラプランニングアンドオペレーティングは「自治体別高齢者住宅・施設等の需給予測データ2024年度版」を発行した。  47都道府県と政令指定都市(20市)・中核市(62市)・首都圏(109市)関西圏(73市)の全市、東京23区がとりまとめた介護保険事業支援計画と介護保険事業計画から、要介護者向け高齢者住宅・施設など(包括ケア居室)を供給量として把握し、この地域に住む要介護3以上の認定者数を需要量として、供給と需要の差に着目して推計した。...

情報二次利用など議論 第115回介護保険部会

 12月10日、第115回社会保障審議会介護保険部会が開かれ、「医療等情報の二次利用に係る現状と今後の対応方針について」「要介護認定の認定審査期間について」「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会の中間整理について」などが議論された。
 
 現在、医療DXが推進され、「全国医療情報プラットフォーム」の構築や電子カルテ導入、電子カルテ情報の標準化などが掲げられている。得られた情報については「医療介護の公的データベースの利活用を促進するとともに、研究者、企業等が質の高いデータを安全かつ効率的に利活用できる基盤を構築する」(骨太の方針2024)など、実用化に向けた議論が各所で行われている。
 
 医療・介護関係のデータベース、現行ではNDB・介護DB・DPCDB・障害福祉DB・予防接種DB…ジャンル別にと独立している。これらをクラウド上の…

介護などの賃上げに1892億円 厚労省補正予算案

 総額8454億円(うち一般会計8414億円)となる厚生労働省の今年度の補正予算案が11月29日に閣議決定された。  医療・介護・障害福祉分野の賃上げの支援や医師偏在是正などに向けた対策の推進として2861億円を計上。このうち医療・介護・障害福祉分野の生産性向上・職場環境改善などによる賃上げなどの支援として1892億円を盛り込んだ。  持続的・構造的賃上げに向けた支援には313億円を振り分け、このうち最低賃金の引き上げに対応する中小企業・小規模事業者向け生産性向上支援に297億円を計上した。...

訪問介護事業者の倒産が10月で年間最多上回る

 東京商工リサーチによると、介護事業者(老人福祉・介護事業)の倒産が1-10月で145件発生し、これまで年間最多だった2022年の143件を上回り、2カ月残して過去最多を記録した。  業種別では、訪問介護72件で23年の67件を抜いて過去最多となった。ヘルパー不足や燃料代などの運営コスト上昇に加え、24年の介護報酬マイナス改定の影響が出ている可能性がある。  訪問介護以外では、通所・短期入所が48件、有料老人ホームが11件、その他が14件だった。...

1週間無料でお試し購読ができます  詳しくはここをクリック

新着記事は1カ月無料で公開

有料記事は990円(税込)で1カ月読み放題

*1年間は1万1000円(同)

〈新着情報〉〈政策・審議会・統計〉〈業界の動き〉は無料

【アーカイブ】テーマ特集/対談・インタビュー

コラム一覧

【アーカイブ】現場ルポ/医療介護ビジネス新時代

アクセスランキング(12月16-22日)

  • 1位
  • 2位
  • 3位 90% 90%
メディカ出版 医療と介護Next バックナンバーのご案内

公式SNS