外国人雇用対策の検討を開始 厚労省

2021年 3月 22日

 厚生労働省の「外国人雇用対策の在り方に関する検討会」の第1回会合が3月19日に開催されオンラインで開催され=写真、外国人雇用に関する詳細なデータが示されたほか、新型コロナ禍で悪化している外国人雇用へのハローワークでの対応を紹介した。

外国人雇用対策

 データに関しては、外国人に関する「雇用状況」「労働需給分析」「求職者分析」「労働移動分析」「賃金構造分析」により、外国人雇用の現状と新型コロナの影響が示された。

 日本で就労している外国人は2020年10月末時点で172万4000人となり、過去最多となった。一方で、ハローワークのデータによると、外国人の非自発的離職の割合は昨年4月以降増加し、7月には68.6%に達し、直近では48.9%となっている。

 厚労省ではこれまでも、ハローワークに外国人専門の担当官や相談員を配置するなどして、外国人の就職支援、在留資格別支援、多言語での相談体制を整備しているほか、事業主向け支援を行ってきたが、今年度の補正予算により外国人労働者支援体制を強化した。

 人員や通訳員の増加、多言語音声翻訳機の追加配布などによる多言語相談支援体制の強化、日本語で対応していたハローワーク・コールセンター(電話相談)を、外国語でも対応できるようにするなどの対策を講じるとともに、外国人が応募しやすい求人の開拓を進めている。

 具体的には、例えば昨年12月24、25日に東京のハローワーク新宿主催で開催した、全国初の留学生対象のアルバイト面接会では、コロナ対策で事前予約制により人数を絞っての開催だったものの、7企業(求人数34人)と留学生24人が参加し、当日中に6人の留学生が内定を得ており、こうした面接会を他地域でも実施する方針だ。

 この日の会合では、最初に座長を選出し、構成員の互選で山川隆一・東京大学教授が選ばれた。今後、新型コロナの影響を受け困窮する外国人失業者に対するハローワークの対応、外国人労働者の職場・地域での定着、留学生の国内就職支援などを議論し、6月ごろをめどに中間的な取りまとめを行う予定だ。

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訪問介護の倒産止まらず 報酬引き下げなど響く🆕

 東京商工リサーチの調査によると、訪問介護事業者の2025年の倒産(負債1000万円以上)が11月末までに85件に達し、これまで最多だった23年67件、24年81件をすでに超え、3年連続で最多を更新した。  人手不足や24年度の介護報酬改定で訪問介護の基本報酬が引き下げられたことに加え、人件費やガソリン代、運営コストの上昇が要因と見込まれる。  25年の訪問介護事業者の倒産は11月末までに85件(前年81件)で、3年連続で年間最多を更新した。...

2割負担対象も預貯金に応じ1割の案 部会🆕

 第130回社会保障審議会介護保険部会が12月1日に開かれ、「持続可能性の確保」「論点ごとの議論の状況」などが議論された。
 
 今回、「持続可能性の確保」は
 
 ●「一定以上所得」「現役並み所得」の判断基準
 ●補足給付に関する給付の在り方
 ●ケアマネジメントに関する給付の在り方
 
 の3つの論点に絞って議論された。
 
 「一定以上所得」「現役並み所得」の「一定以上」とは、介護保険サービス利用時の自己負担を2割とする所得層で、「現役並み」とは自己負担3割の所得層だ。簡単にいえば所得の多い人は自己負担も多く、という応能負担の考え方に基づく施策である。現行の「一定以上所得」「現役並み所得」の基準は以下の通り。

賛否分かれる論点に進展なし 介護保険部会

 第129回社会保障審議会介護保険部会が11月20日に開かれ、「介護保険制度に関するその他の議題」「持続可能性の確保」などが議論された。
 
 「持続可能性の確保」の内容は
 
 ●1号保険料負担の在り方
 ●「一定以上所得」「現役並み所得」の判断基準
 ●ケアマネジメントに関する給付の在り方
 ●軽度者への生活援助サービスに関する給付の在り方
 ●被保険者範囲・受給者範囲
 ●金融所得・金融資産の反映の在り方
 
 など、注目度が高い項目が多く、これまでも議論が続いてきたが、今回は事務局から具体的にどうするか、施策の方向は示されていない。
 
 ケアマネジメントに関する給付の在り方については、他サービスと同様に幅広い利用者に負担を求めること(ケアマネジメント有料化)や、その判断にあたって利用者の所得状況を考慮することをどう考えるか、住宅型有料老人ホームの入居者に係るケアマネジメントについて利用者負担を求めるか、などの論点が示された。

特例介護の新類型を提案 介護保険部会

 第128回社会保障審議会介護保険部会が11月10日に開かれ、「人口減少・サービス需要の変化に応じたサービス提供体制の構築等」「地域包括ケアシステムの深化(介護予防・日常生活支援総合事業等)」「地域包括ケアシステムの深化(高齢者向け住まい)」などが議論された。
 
 「人口減少・サービス需要の変化に応じたサービス提供体制の構築等」は、10月に開催された第126回部会で提案された、「特例介護サービス」の新たな類型案について、具体的に提案された。
 
 現行の特例介護サービスは、全国を対象地域とする「基準該当サービス」と厚労大臣が定める地域を対象とする「離島等相当サービス」である。事業者は指定でなく登録、人員配置基準は指定サービスより緩和されている(離島等相当サービスでは人員配置基準の規定はない)。報酬も、介護報酬を基準に市町村が設定する。これらは居宅サービスに適用される。

有料は届出から登録へ 望ましいあり方検討会

 第7回有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会が10月31日に開催され、とりまとめ案について議論した。
 
 とりまとめ案は有料老人ホーム(以下、有料)における安全性やサービスの質の確保、入居契約の透明性確保、紹介事業の透明性や質の確保、指導監督や「囲い込み」対策の在り方など多岐にわたる。主な内容を以下に挙げる。
 
 ●中重度の要介護者(要介護3以上)や医療ケアを必要とする要介護者、認知症の人などを入居対象とする有料については、行政の関与により入居者保護を強化するため、登録制を導入。
 
 ●登録制は、公平性の観点から、要件に該当する既存の有料にも適用される。既存の有料が新制度に移行する際は一定の経過措置を設ける。
 
 ●参入後も事業運営の質の維持が求められるため、更新制や更新拒否の仕組みもつくる。行政処分を受けた運営事業者は一定期間、有料の開設が制限される。
 
 ●こうした有料については、高齢者の尊厳の保障やサービスの質の確保の観点から、職員体制や運営体制に関する一定の基準を法令で儲ける。

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