厚生労働省の「社会福祉連携推進法人の運営の在り方等に関する検討会」は3月8日に開催したオンライン会合=写真=で、人材確保業務とガバナンスについて議論した。
人材確保業務については、厚労省から法人合同での採用募集、出向など法人間の人事交流の調整、賃金テーブルや初任給などの法人間の共通化に向けた調整、法人施設での職場体験や現場実習などの調整、法人合同での研修の実施、法人施設での外国人材の受け入れ支援―などが連携法人の人材確保業務として示された。
このうち法人合同での採用募集について、地域密着型総合ケアセンターきたおおじ代表の山田尋志構成員が、合同募集こそ連携する上での大きなポイントと指摘。しかし、昨年度に東京と京都の学生にヒアリングしたところ、社会福祉法人には専任の人事担当者がいない印象を学生にもたれ、就職先として避けられていることが分かったことを紹介した。
その上で、募集担当者を連携法人に配置して職員を募集する場合の、職業安定法との関係を厚労省に質問した。
厚労省からは、連携法人として募集を行っていくには、職業安定法の委託募集の規定に対応する必要があるが、特例として、各法人が都道府県労働局長に許可を取りに行くのではなく、連携法人がまとめて届け出が行えるようにしたと説明した。
ガバナンスについては、法人の議決権を原則として1法人1議決権とし、法人間の合意に基づく場合は、事業規模に応じて複数の議決権を持つことも可能にした点について、早稲田大学人間科学学術院准教授の松原由美構成員らから疑念や意見が出された。
この点に関しては、厚労省からどこかの法人がイニシアティブをとって連携法人を組んでいく際に、「組みやすさの観点から一定の例外として」こうした規定としたが、事業規模については検討したいとの考えが示された。