厚生労働省がまとめた2019年度「福祉行政報告例の概況」によると、同年度中に児童相談所が対応した「養護相談」のうち、児童虐待相談の対応件数は前年度に比べ3万3942 件(21.2%)増加し19万3780件だった。虐待相談件数は増加傾向にあり、5年前に比べると9万494件(87.6%)増となっている。
虐待を受けた子どもの年齢別増減率では、「16~18 歳」が最も高く、次いで「7~12 歳」。全体に占める割合では「7~12歳」「3~6歳」の順で多く、この2つを合わせると6割近かった。
相談の種別では、最も多いのが「心理的虐待」で 10万9118件、次が「身体的虐待」の4万9240 件だった。虐待したのは「実母」が47.7%と最も多く、次いで「実父」が41.2%。「実父」の構成割合は年々上昇しており、5年間で4.9ポイント増加した。
「養護相談」以外も含めた相談件数は、前年度比3万9842件(7.9%)増の54万4698件。相談の種類別では「養護相談」が5割近くを占め、以下、「障害相談」「育成相談」の順だった。
「養護相談」の構成割合は年々上昇しており、5年前に比べ12.3ポイント増加した。ちなみに、5年前は「障害相談」が最も多かった。
老人クラブは減少続く
老人福祉関係では、同年度末現在の有料老人ホームを除く老人ホームの施設数は、前年度比174施設(1.3%)増の1万3456施設。定員は同1万670人(1.4%)増の78万7754人だった。
施設の種類別に定員の増減をみると、「特別養護老人ホーム」が同1万666人(1.7%)増加し、「軽費老人ホーム」と「都市型軽費老人ホーム」も増加した。
一方、同年度末の老人クラブ数は9万2836で、前年度に比べ2987クラブ(3.1%)減少し、会員数も498万8999人で同25万6724人(4.9%)減少した。
全国老人クラブ連合会では、2014~18年度に「100万人会員増強運動」を実施したが、老人クラブ数・会員数は年々減少しており、15~19年度の5年間でクラブ数は1万985、会員数は91万7293人減少している。