減塩対策など議論する検討会が初会合 厚労省

2021年 2月 8日

 厚生労働省の「自然に健康になれる持続可能な食環境づくりの推進に向けた検討会」は2月5日、第1回会合をオンラインで開催した=写真。

 「健康寿命延伸プラン」「骨太の方針209」「成長戦略フォローアップ2020」の三つの政府方針に基づき、産学官連携の下、優先的に取り組むべき栄養課題や目標の設定・評価のあり方などを検討する。

自然健康検討会

 特に、国内で非感染症疾患の食事因子で最大の課題である食塩の過剰摂取を防ぐための減塩対策を中心に、議論が進められることになる。

 この日の会合では、最初に武見ゆかり・女子栄養大学大学院研究科長を座長に選出した。次に、事務局から食環境を取り巻く環境や検討の方向性、主な論点が示された。

 方向性としては、減塩の推進などの健康の保持増進につながる食品を事業者が提供することで、消費者がそうした食品を利用しやすくすること、持続可能な開発目標(SDGs)の達成にも資するものとして「東京栄養サミット 2021」などで、こうした取り組みを国内外に広く発信していくことが提案された。

 主な論点としては、優先的に取り組むべき栄養課題、事業者の取り組み、消費者の健康への関心度の程度に関わらず、普段の食事で健康の保持増進などに配慮された食品を利用するための方策、取り組みの成果を評価するための方策が挙げられた。

 検討会の構成員からの質問や意見では、減塩に関するものが大勢を占めた。特に関心を集めたのが、日本人の成人1日当たりの食塩摂取量の平均値と各国の食塩摂取量である。

 日本人の食塩摂取量は1995年の13.9gから減少してきたが、ここ数年は10g程度で横ばいになっており、目標値である8gに達していない。

 また、各国の食塩摂取量を見ると、米国・英国・カナダ・オーストラリアは6~9gでいずれも日本より少なく、食生活が似ていると考えられる韓国でも7.3gと、日本の目標値より少ないことが示された。

 これらの点について、厚労省は「要因は不明」としたが、土橋卓也・日本高血圧学会減塩・栄養委員会副委員長は「昨年10月まで減塩の活動をしていたが、ある程度まで下がると、個人の努力では無理。食環境の整備が必要」との意見を述べた。

 また、木下紀之・ファミリーマート商品マーケティング本部デリカ食品部部長は、2018年から減塩に取り組み、年間100t分の減塩ができているが、無関心の人はむしろ減塩商品を避ける傾向にあることから、ほとんどの商品で減塩表示せずに「こっそり減塩」を行っていることを紹介した。

 一方で、土橋副委員長は、減塩すると高齢者は食べられなくなって低栄養になることを指摘し、全国消費者団体連絡会の廣田浩子氏は、減塩によりコストがかかって小規模事業者に負担になることや、賞味期限に影響して食品ロスになる可能性もあるとして、幅広い視点での提言や議論などを求めた。

 なお、韓国の食塩摂取量が少ないことについては、菅原千遥・エブリー取締役執行役員が「日本に比べスパイスの摂取量が多い」ことを指摘し、日本でも教育の場でスパイスやハーブの使い方を教えていくことの必要性があるとした。

 今後は3、4月にそれぞれ1回ずつ会合を開催し、5~6月ごろに開催する第4回会合で報告書案を議論する予定だ。

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2割負担は先送り 介護保険部会が「意見」🆕

 第133回社会保障審議会介護保険部会が12月25日に開かれ、「介護保険制度の見直しに関する意見」が確定した。
 
 議論が続いた「一定以上所得」の判断基準については、第10期介護保険事業計画(2027~29年度)の開始前までに結論を得ることとなった。
 
 これは利用者負担が2割となる基準で、現行制度では年金収入+その他の合計所得が年280万円以上340万円未満である(単身世帯の場合)。340万円以上は「現役並み所得」とされ、3割負担だ。
 
 介護保険制度の持続可能性確保のためにその基準を拡大し、2割・3割負担となる層を広げるかどうか。
 
 具体的には、「一定以上所得(2割負担)」の下限を260万円~230万円の範囲で引き下げる案が示され、長く議論されてきたが、決着には至らなかった。「現役並み所得」の判断基準は「引き続き検討を行う」と、期限も示されなかった。
 
 そのほか、軽度者への生活援助サービスを給付から切り離して総合事業に移行する案も結論は出ず、「引き続き包括的に検討する」となった。

制度見直しの議論続く 介護保険部会

 第132回社会保障審議会介護保険部会が12月22日に開かれ、前回に続き「介護保険制度の見直しに関する意見(案)」などが議論された。
 
 今回提示された案では、「一定以上所得の判断基準」について、これまで同様、年金収入+その他の合計所得を「年260万円~230万円の範囲」とした。まだ具体的な方向は見えない。委員の中には「2割負担の対象を拡大すべきでない」との意見も根強い。
 
 「拡大すべきでない」論者の意見は、
 
 ・医療ではOTC類似薬への新たな負担など、高齢者の負担増が確実。介護でも負担増は避けるべき
 
 ・負担増から利用控えが起こると、子世代にしわ寄せがくる。介護離職が増えるのでは
 
 ・現役世代の負担軽減は重要だが、サービスを使えなくなった親を子が援助すれば結局子の負担は増える
 
 などがある。持続可能性を高めるには被保険者の範囲や公費負担も見直すべき、との意見もあった。

2割負担、ケアマネジメントの在り方は 部会

 第131回社会保障審議会介護保険部会が12月15日に開かれ、「介護保険制度の見直しに関する意見(案)」などが議論された。
 
 「介護保険制度の見直しに関する意見」は2022年12月に“第1弾”が公表されている。このとき結論が出されなかった、〈「一定以上所得」「現役並み所得」の判断基準〉〈補足給付の在り方〉〈ケアマネジメントに関する給付の在り方〉〈軽度者への生活援助サービスに関する給付の在り方〉などについて、これまで部会で議論が続けられた。
 
 これらは「次期計画に向けて得ることが適当」「第10期計画の開始までに出すのが適当」「引き続き検討」とされた。次期計画とは現在の第9期(2024-26年度)、第10期は27-29年度である。
 
 「一定以上所得の判断基準」は「次期計画に向けて」だったが、まだ決着していない。2割負担の拡大、すなわち適用される所得の引き下げにつながることから、反対意見が根強かった。現行制度では、2割負担となる所得基準は年280万円以上だ。これをどこまで引き下げるか。年260万円~230万円の範囲が提案されている。
 
 引き下げ幅が大きいほど、2割負担となる人は増える。ただ引き下げと同時に「配慮措置」も提案されている。①新たに負担増となる場合、増加の上限を月額7000円とする、②預貯金等が一定額以下の人は申請により1割負担に戻す、の2つだ。

訪問介護の倒産止まらず 報酬引き下げなど響く

 東京商工リサーチの調査によると、訪問介護事業者の2025年の倒産(負債1000万円以上)が11月末までに85件に達し、これまで最多だった23年67件、24年81件をすでに超え、3年連続で最多を更新した。  人手不足や24年度の介護報酬改定で訪問介護の基本報酬が引き下げられたことに加え、人件費やガソリン代、運営コストの上昇が要因と見込まれる。  25年の訪問介護事業者の倒産は11月末までに85件(前年81件)で、3年連続で年間最多を更新した。...

2割負担対象も預貯金に応じ1割の案 部会

 第130回社会保障審議会介護保険部会が12月1日に開かれ、「持続可能性の確保」「論点ごとの議論の状況」などが議論された。
 
 今回、「持続可能性の確保」は
 
 ●「一定以上所得」「現役並み所得」の判断基準
 ●補足給付に関する給付の在り方
 ●ケアマネジメントに関する給付の在り方
 
 の3つの論点に絞って議論された。
 
 「一定以上所得」「現役並み所得」の「一定以上」とは、介護保険サービス利用時の自己負担を2割とする所得層で、「現役並み」とは自己負担3割の所得層だ。簡単にいえば所得の多い人は自己負担も多く、という応能負担の考え方に基づく施策である。現行の「一定以上所得」「現役並み所得」の基準は以下の通り。

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