厚生労働省の厚生科学審議会・地域保健健康増進栄養部会は1月21日、約11カ月ぶりにオンラインで会合を開催し=写真、次期国民健康づくり運動プランの策定時期と今後の検討の進め方などについて議論した。
冒頭あいさつを行った正林督章・健康局長は、懸念していることとして、ステイホームで高齢者が家にこもり体をあまり動かさないことを挙げ、感染対策をした上で時には散歩をしたり、軽く運動したりすることをPRしていく必要性を指摘した。会合では最初に部会長の選出を行い、東北大学の辻一郎教授が選ばれた。
この日は①健康日本21(第二次)の最終評価を含め、次期国民健康づくり運動プランの策定時期と今後の検討の進め方②歯科口腔保健の推進に関する基本的事項の最終評価と次期の基本的事項策定の進め方③地域保健対策の推進に関する基本的な指針の改定を議題とした。
現在行われている健康日本 21(第二次)は、計画期間が2013年度から22年度の10年間とされている。一方、医療・介護を含めた総合的な取り組みを行うため、18年度から医療費最適化計画・医療計画・介護保険事業支援計画の見直し時期が一致され、24年度から次期計画期間が始まることになっている。
そこで、これらの計画と時期国民健康づくり運動プランの計画期間を一致させるため、健康日本 21(第二次)の計画期間を1年間延長して最終年度を23年度とし、今年6月ごろから最終評価を行い、来年夏ごろをめどに報告書を作成。続いて次期プランの議論を始め、再来年春をめどに次期プランを公表し、都道府県などが健康増進計画を策定する期間を設けた後、24年度から次期プランを開始する。
歯科口腔保健の推進に関する基本的事項の最終評価と次期の基本的事項の策定スケジュールも同様となる。
地域保健対策の推進に関する基本的な指針については、新型コロナ感染拡大により保健所に過度な負担がかかっていることから、指針を見直すことにした。
保健所で感染症対応業務に従事する保健師数は、現行の全国で約1800人から21年度は約2250人、22年度は約2700人に増やす方針が昨年12月21日に総務省から示されている。
この増員に対し、「コロナ感染が落ち着いたら元に戻すべき」との意見が出たが、保健師の委員がこれまで減らされてきて「平時でも足りない」と反論し、厚労省からも平時の感染症対策に必要な人数との説明があり、恒常的な措置であることが示された。
また、緊急時の医師・保健師の確保に関して、自治体の委員から「自治体に依頼されても無理。国のレベルで検討することが必要」「専門性を確保するための研修体制を国として進めてほしい」などの意見が出されていた。