社会保障審議会(厚労相の諮問機関)介護給付費分解会は1月13日の会合で、介護サービスの人員・設備・運営基準に関する省令改正の報告書を取りまとめた。
新型コロナウイルス感染症や大規模災害が発生する中で、感染症や災害への対応力強化のための取り組みを義務付けるほか、認知症介護基礎研修の義務付け、業務効率化に向けた人員・運営基準の緩和、ハラスメント対策の強化、口腔衛生管理の強化などを盛り込んだ。
今回も新型コロナ感染対策のためウェブ開催となった
新型コロナ感染症への対応力強化では、3年間の経過措置期間を設けた上で、委員会の開催、指針の整備、研修・訓練の実施を義務付け、災害への対応強化として、訓練の実施に当たり地域住民の参加が得られるよう連携に努めることとした。
認知症介護基礎研修についても、3年間の経過措置期間を設け、介護に直接携わる職員が受講するための措置を講じることを義務付けた。
人員・運営基準の緩和では、ショートステイの個室ユニット型施設では1ユニットの定員を現行の「おおむね10人以下」から「原則としておおむね10人以下とし、15人を超えないもの」とし、認知症グループホームの夜間・深夜時間帯の職員体制を、現行の1ユニットごとに夜勤1人以上から、3ユニットで例外的に2人以上に緩和できることとしている。
会合では、参考人や委員から「感染症対策や災害対応などは重要だが、小規模な事業所では負担が大きい」として、事業者や利用者にとって分かりやすい動画やマニュアルの作成を求める意見があった。また、人員・運営基準の緩和に対して、検証を求める要望が複数の委員から出されていた。