初診・再診時などの特例加算を承認 中医協

2020年 12月 18日

 中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)は12月18日に総会を開催し=写真、新型コロナへの感染予防策を講じることを要件に、初診・再診(医科・歯科)時に1回当たり5点を加算できるなどの特例的な対応を承認した。

470回中医協

 また、毎年薬価改定の初年度となる2021年度の薬価改定の対象品目と改定方式についても承認した。

 特例対応では、初診・再診以外に、入院の際に入院料によらず1日当たり10点、調剤で1回当たり4点、訪問看護では1回当たり50円、また、新型コロナの陽性患者に歯科治療を行った場合は298点加算できることにした。

 算定に当たっては、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第4版」などを参考に、診療の際に状況に応じて個人防護具を着用した上で患者に対応することや、 感染予防策に関する職員研修を行うなどの感染予防策を講じることを要件とした。

 特例対応は来年4月から9月までとし、10月以降については延長しないことを基本としつつ、感染状況や地域医療の実態などを踏まえ、単純延長を含め、必要に応じて柔軟に対応することとした。

 総会では、支払側委員から議論のプロセスについて厳しい意見が出た。というのは、この特例対応は政府がすでに決定したものなので、追認するしかないからだ。このため、支払側委員だけでなく、公益委員からも「中医協の議論を形骸化させかねない」との懸念が示された。
 ただ、小塩隆士会長が委員に特例対応への承認を求めた際、エビデンスに基づいて公開の場で双方が議論を尽くすという中医協の本来のあり方について、再認識することを厚労省に求めたことで、支払側委員も納得して承認に至った。

 一方、薬価改定の対象品目については、平均乖離率(8.0%)の 0.5~0.75 倍の中間である 0.625 倍(乖離率 5.0%)を超える価格乖離の大きな品目とした。改定方式については通常の算出式に新型コロナの影響と考えられる0.8%分を加えて算定する値とした。

このカテゴリーの最新の記事

このカテゴリはメンバーだけが閲覧できます。このカテゴリを表示するには、年会費(年間購読料) もしくは 月会費(月間購読料)を購入してサインアップしてください。

2割負担の所得判断は先送り 介護保険部会

 12月22日、第110回社会保障審議会介護保険部会が開かれ、「給付と負担について」「介護保険法施行規則の改正等」「『住宅確保要配慮者に対する居住支援機能のあり方に関する検討会』中間とりまとめ(案)」について報告された。  「給付と負担について」は「1号保険料負担の在り方」の見直しと「一定以上所得の判断基準」の変更について報告された。  第1号保険料は標準段階を現行の9段階から13段階とし、1号被保険者間での所得再分配機能を強化することになる。...

在宅精神医療にも包括的支援の評価を 中医協

 中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は12月22日、精神科医療や遺伝学的検査、人工腎臓などについて議論した。  精神科医療については、長期入院者を地域に移行する取り組みや、入院を長期化させず、可能な限り早期に退院し、地域で暮らすことができるよう、医療提供体制の整備、医療と障害福祉などとの連携を進めることが求められている。  また、多職種による包括的支援を中心とした、回復期の入院患者に対する医療や入退院の支援などを含めた医療提供体制を評価することが必要とされている。...

診療報酬改定率が決定 中医協で各項目議論へ

 鈴木俊一財務相と武見敬三厚生労働相による診療報酬改定に関する復活折衝が12月20に行われ、診療報酬を0.88%引き上げる一方、薬価などを1.00%引き下げることで、全体として0.12%のマイナス改定とすることで決着した。  同日開催の中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)に報告された。今後、同協議会で各項目の報酬を議論していく。...

2024報酬改定案を議論 給付費分科会

 12月18日、第236回社会保障審議会介護給付費分科会が開催され、令和6年度(2024年度)介護報酬改定に向けて「審議報告のとりまとめに向けて②」を議論した。  改定の柱は1.地域包括ケアシステムの深化・推進、2.自立支援・重度化防止に向けた対応、3.良質な介護サービスの効率的な提供に向けた働きやすい環境づくり、4.制度の安定性・持続可能性の確保、5.その他、の5つ。  前回(令和3=2021=年度)改定の柱は1.感染症や災害への対応力強化、2. 地域包括ケアシステムの推進、3....

アルツハイマー病新薬の薬価を承認 中医協

 中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は12月13日、アルツハイマー病による軽度認知症障害(MCI)と認知症の進行を抑制する新薬「レカネマブ」の薬価を承認した。  類似薬がないことから、原価計算方式により1回に投与される500mgで7万8926円と算定。これに認知症の進行を抑制する初めての薬剤として有用性加算が適用されたことで同11万4443円と算定された。  2週間に1度投与するため、1人当たりの年間費用は約298万円となる。患者の自己負担額は1~3割。高額療養費制度が適用される場合は、負担がさらに軽減される。...

1週間無料でお試し購読ができます  詳しくはここをクリック

新着記事は1カ月無料で公開

有料記事は990円(税込)で1カ月読み放題

*1年間は1万1000円(同)

〈新着情報〉〈政策・審議会・統計〉〈業界の動き〉は無料

【アーカイブ】テーマ特集/対談・インタビュー

コラム一覧

【アーカイブ】現場ルポ/医療介護ビジネス新時代

アクセスランキング(5月6日-12日)

  • 1位
  • 2位
  • 3位 90% 90%
メディカ出版 医療と介護Next バックナンバーのご案内

公式SNS