政府は6月13日、2018年以来6年ぶりの改定となる「高齢社会対策大綱」を閣議決定。75歳以上の後期高齢者の医療費について、窓口負担が3割となる対象範囲の拡大を検討する方針を示した。
後期高齢者の窓口負担は現在、原則1割、一定の所得があれば2割、現役並みの所得があれば3割負担となっている。これを、年齢にかかわりなく、能力に応じて支え合うという観点から、3割負担の対象の拡大を検討することになった。
この方針については、昨年12月に閣議決定された「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)」でも示されており、2028年度までに見直しを行うことになる。
基本的考え方として、65歳以上の就業者が増え続けており、年齢によって「支える側」と「支えられる側」を画することは実態に合わないとして、若年世代から高齢世代まですべての人がそれぞれの状況に応じて「支える側」にも「支えられる側」にもなれる社会を目指すとした。
具体策としては、身寄りのない高齢者を支援する高齢者等終身サポート事業の運営の適正化、高齢期でも自立して生活し、主体的に暮らし方を選択できるように関する観点から、デジタル・テクノロジーなどを学習する機会を提供すること、高齢者が適切な住宅を確保できるよう、公的賃貸住宅の活用を進めるなどを提示した。