介護医療院の開設数 昨年末時点で301施設に

2020年 3月 30日

 2019年1231日時点の全国の介護医療院の開設状況は、Ⅰ型が201、Ⅱ型が98、Ⅰ型とⅡ型混合が2の合計301だった。半年前に比べⅠ型は55、Ⅱ型は23増え、Ⅰ型とⅡ型混合は横ばいだった(厚生労働省「介護医療院の開設状況について」より)。

75歳以上人口と介護医療院数

 2018年4月に創設されてから着実に施設数が増加している背景には、2024年331日までに介護医療院に転換した場合、指定基準(施設・設備)が一部緩和される経過措置が適用されることが考えられる。また、1年に限り算定可能な移行定着支援加算が2021331日までと限定的であるため、1年間加算を受けるには今年41日までに転換する必要があることも一因だろう。

 転換元は介護療養病床(病院)が190で最も多く、次いで介護療養型老人保健施設が66、医療療養病床(2018年度改定後の診療報酬の療養病棟入院料1または2を算定している病床)が59で3番目に多かった。ただし、複数施設が統合して転換する場合があり、介護医療院の施設数とは合計が一致しない。

 都道府県別では福岡県が24で最多、2番目に多いのは富山県の18。以下、北海道17、熊本県14、静岡県と愛知県12となっている。

京都は施設数に比して床数が多い

 介護医療院の床数(療養床数)は、全国でⅠ型が13552床、Ⅱ型が5379床、合計18931床。半年前に比べⅠ型は3206床、Ⅱ型は1281床、合計4487床増えた。転換元では介護療養病床(病院)が12458床、介護療養型老人保健施設が2958床、医療療養病床(2018年度改定後の診療報酬の療養病棟入院料1または2を算定している病床)が2031床などとなっている。

 都道府県別では福岡県が1772床で最も多く、次いで京都府が1195床、富山県が1140床、静岡県が1025床となり、この4府県が1000床を上回った。京都府は施設数が8にもかかわらず1000床を超えたのは、大規模施設が介護医療院に転換したことを示している。

 療養床数を75歳以上人口に対する割合で見ると、全国では千人当たり約1床。都道府県別では、富山県が同約7床、高知県が同約4床、京都府・島根県・鳥取県・山口県・徳島県・石川県・福岡県・熊本県が約3床となっており、人口比では西日本が多い傾向が見られる。

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中山間地域の訪問介護への定額導入など提案🆕

 10月9日、第126回社会保障審議会介護保険部会が開かれ、「人口減少・サービス需要の変化に応じたサービス提供体制の構築等」「地域包括ケアシステムの深化(相談支援の在り方)」などが議論された。
 
 「人口減少…に応じたサービス提供体制の構築等」の論点は①地域の類型の考え方、②地域の実情に応じたサービス提供体制の維持のための仕組み、③地域の実情に応じた包括的な評価の仕組み、④介護サービスを事業として実施する仕組み、⑤介護事業者の連携強化、⑥地域の実情に応じた既存施設の有効活用、⑦調整交付金の在り方、と多岐にわたる。
 
 以下、①~⑤について事務局からの提案をまとめる。
 
 ①については、サービス需要が減少する「中山間・人口減少地域」ではサービス提供の維持・確保を前提に新たな柔軟化のための枠組みを設ける必要がある。その対象は「特別地域加算」の対象地域が基本となるが、拡充も考えられる。また、市町村の中でもエリアによって人口減少の進み方は異なるため、市町村内の一部エリアも対象とできないか。
 
 「中山間・人口減少地域」は、介護保険(支援)計画の策定時に、都道府県が市町村の意向を確認して決定する。「大都市部」「一般市等」では、現行制度の枠組みを活用したサービス基盤の維持・確保が求められる。
 
 委員からは、地域類型を定める根拠となる高齢者人口について、「その場合の高齢者とは何歳以上か、定義を定める必要がある」との指摘が相次いだ。
 
 ②は「中山間・人口減少地域」のサービス提供体制の維持・確保のために、特例介護サービスの枠組みを拡張する。新たな類型は下図の赤い部分だ。

介護保険見直しの議論始まる 介護保険部会

 第125回社会保障審議会介護保険部会が9月29日に開かれ、「地域包括ケアシステムの深化、持続可能性の確保」などが議論された。
 
 具体的な論点は①地域包括ケアシステムの実現・深化に向けた支援体制の整備、②医療介護連携の推進、③持続可能性の確保、の3点。
 
 事務局は①について、地域の状況に応じたサービス提供体制や支援体制の構築が重要、との前提で、地域の性格によって課題を以下のように位置づけた。
 
 中山間・人口減少地域…サービス基盤の維持・確保
 都市部…新たな事業者や人材の持続的な確保
 一般市等…前2者それぞれへの対応
 
 そのうえで中山間・人口減少地域では、前回の部会で議論されたサービス提供体制の確保のための方策について、介護保険事業計画に反映することが重要、との方向性を提示する。
 
 さらに、者向け住まいについては、「有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会」の議論もふまえ、介護保険部会で議論して整理する。介護予防や人材確保、生産性向上に関する事項も含めて…

中山間地域のサービス提供柔軟に 介護保険部会

 第124回社会保障審議会介護保険部会が9月8日に開かれ、「人口減少・サービス需要の変化に応じたサービス提供体制の構築」などが議論された。
 
 具体的な内容は、これまでの同部会での議論を踏まえた以下の6項目で、②~⑥は中山間・減少人口地域でのサービス提供体制の維持・確保についての提案である。
 
 ①地域の類型の考え方
 ②地域の実情に応じたサービス提供体制の維持のための仕組み
 ③地域の実情に応じた包括的な評価の仕組み
 ④介護サービスを事業として実施する仕組み
 ⑤介護事業者の連携強化
 ⑥地域の実情に応じた既存施設の有効活用
 
 ①地域の類型の考え方は、全国を「中山間・人口減少地域」「大都市部」「一般市等」の3つに分類し、状況に応じたサービス提供体制を構築していくことが重要、とする。「中山間・人口減少地域」についてはサービス提供の維持・確保を前提として新たな柔軟化のための枠組みを設けることを提案する。

人材確保に向け処遇改善を議論 給付費分科会

 第247回社会保障審議会介護給付費分科会が9月5日に開催され、「令和6年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査 (令和7年度調査)の調査票等について」「介護人材確保に向けた処遇改善等の課題」などが議論された。  「調査票等」は、「高齢者施設と医療機関の連携体制などの調査研究事業」「令和6年度介護報酬改定におけるLIFEの見直し項目及びLIFEを活用した質の高い介護の推進に資する調査研究事業」など4つの研究事業の調査票案を事務局が提示。...

日本の人口55万人減少 日本人減も外国人は増加

 総務省の人口動態調査によると、今年1月1日現在の日本の人口は1億2433万690人で、前年に比べ55万4485人(0.44%)減少した。  日本人が1億2065万3227人で同90万8574人(0.75%)減少したのに対し、外国人は367万7463人で同35万4089人(10.65%)増加した。減少する日本人の数を外国人の数が補う形となっている。  日本人は2009年をピークに16年連続で減少、外国人は13年の調査開始以降、最多となった。都道府県別では、日本人は東京都のみ増加した一方、外国人は全都道府県で増加した。...

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