中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は1月10日、2024年度診療報酬改定に向けたこれまでの議論の整理案が事務局から提示された。
昨年12月11日の社会保障審議会医療保険部会・医療部会で取りまとめられた診療報酬改定の基本方針に即して、「働き方改革などの推進」「医療DXの推進」「質の高い医療の推進」「医療保険制度の安定性・持続可能性の向上」の4項目に整理した。
このうち働き方改革などの推進では、看護職員や病院薬剤師などの賃上げに向け新たな評価を設け、ICU管理料について重症患者の受け入れと医師の人員配置を考慮した評価体系への見直しなどを行う。
医療DXの推進については、保険医療機関・薬局でオンライン資格確認システムの導入が原則義務化されることを受け、医療情報・システム基盤整備体制充実加算の評価のあり方を見直す。また、オンライン資格確認の利用実績に応じた評価や電子処方箋の普及などに対する新たな評価などを設ける。
質の高い医療の推進に関しては、食材費などが高騰していることから入院時の食費の基準を引き上げ、不妊治療を保険診療で実施する医療機関を広げる観点から、一般不妊治療管理料について要件を見直すとともに、胚凍結保存管理料の要件の見直しなどを行う。
医療保険制度の安定性・持続可能性の向上としては、バイオ後続品導入初期加算の対象患者の拡大、長期収載品について保険給付のあり方を見直し、選定療養の仕組みの導入などを実施する。