中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は12月1日、リハビリテーション・栄養管理・口腔管理の一体化や医療DX、小児・周産期医療、長期収載品など、診療報酬改定に向け幅広いテーマで議論を行った。
このうちリハ・栄養・口腔管理の一体化は、介護報酬・障害福サービス等報酬との同時改定となる今回の改定は、推進のための方策を検討するのに絶好のタイミングであることから、委員からは一体化の推進を求める発言が相次いだ。ただ、具体策については診療側委員と支払側委員で意見が分かれる面もあった。
医療・介護の連携については、医療機関から介護事業所へのリハ実施計画書の提供が半分以下に留まっている。
そこで、リハ実施計画書を提供することを疾患別リハビリテーション料の通則に位置づけること、退院時共同指導料2の共同指導に参加する職種に老健・介護医療院等の訪問リハ事業所の医師・理学療法士などが参加することが望ましいことを明確化することが論点として示された。
この点について、支払側委員は通則に記載することに賛意を示したが、診療側委員はこれから連携を進めていく段階なので次期尚早と反対した。
また、急性期入院医療における高齢者のADL悪化を防ぐための取り組みの推進が求められているが、ADL維持向上等体制加算の届け出施設数は少ないことが課題となっている。
これを踏まえ、急性期病棟で理学療法士などの配置とリハ提供の推進、土日祝日のリハの提供、患者の状態に応じた速やかな食事の提供・変更などを含めた栄養管理の強化、リハ・栄養・口腔管理の一体的な運用をどのように図るかということが論点となった。
ADL維持向上等体制加算の届け出施設数が少ないことについては、診療側委員から加算点数が低いことや要件が複雑なことなどが原因との指摘があった。一方、支払側委員からは同加算の要件に理学療法士の配置などがあることから、体制加算としての位置付けを根本的に見直すべきとの意見があった。