中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)薬価専門部会は9月20日、次期薬価制度改革に対する関係業界からのヒアリングを行った。
意見発表を行った団体のうち、日本製薬団体連合会・米国研究製薬工業協会(PhRMA)・欧州製薬団体連合会(efpia)の3団体は連名で意見を提出。革新的新薬を迅速に導入するため、収載時に欧米並みの価格設定ができる仕組みの導入を求めた。
また現状の有用性加算では、実薬比較臨床試験が困難な新薬、従来と異なる概念の新薬が早期に日本で評価されるのは困難だとして、薬価収載後に標準的治療法となることが明らかと見込まれる場合や、長期間新薬が上市されていない領域や開発リスクが高い領域の品目に加算を適用すべきとした。
新薬創出等加算に関しては、ドラッグラグ・ロスが多く生じている小児用医薬品など、医療上必要性の高い医薬品などは現行の品目要件に追加すべきとし、現在の企業指標による評価は企業規模の影響を強く受けることから、企業指標・企業区分の撤廃を求めた。
加えて、他社製品の売上拡大を理由とした薬価引き下げ(共連れルール)は、事業の予見性・合理性の観点から廃止し、有用性の高い効能を追加した品目は、再算定引き下げ率の緩和の形で評価することを求めた。
さらに、市場拡大再算定に対し、市場規模が拡大したという理由のみで薬価を引き下げることは許容できないとするとともに、市場拡大再算定をさらに厳しくすることは、ドラッグラグ・ロスをさらに助長するとして反対の意見を述べた。