8月7日、第221回社会保障審議会介護給付費分科会が開催され、令和6年度(2024年度)介護報酬改定に向けて施設系サービスなどについて議論した。
議論の対象は、介護老人福祉施設(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護医療院、特定施設入居者生活介護の4類型。それぞれについて前回報酬改定の内容や、サービス提供の状況、現状の課題などが示された。そのほか、高齢者施設と医療機関の連携強化も議題となった。
高齢者施設と医療機関の連携強化について、事務局は入院関連機能障害に触れている。
これは入院中に安静にしていることが原因で生じる歩行障害や筋力低下などの機能障害(特に運動障害)で、85歳以上の高齢者、入院前にADLが低下している、がんや脳卒中の既往がある、などがリスク因子とされている。在宅の要介護高齢者が一般入院に入院すると、要介護度が悪化することも紹介された。
これに関連して委員からは「誤嚥性肺炎や尿路感染症では入院の必要はほぼないが、脳梗塞は救急搬送が必要。適切な判断が不可欠」「急性期病院への搬送が多いのは問題。診療報酬でもこれに対策し、医療介護の連携を進めるべき」との意見が出た。
特養など高齢者施設では、常勤ではないが医師の配置が義務付けられてはいる。ただし、その契約形態や勤務形態はさまざまで、配置医師が不在時に急変した場合、オンコール対応でなく救急搬送する施設は26%(平日の日中)ある(下図。事務局の資料1より)。
このことから、特養などにおける医療ニーズへの適切な対応のあり方も今後の焦点となる。