第219回社会保障審議会介護給付費分科会が7月10日に開催され、令和6年度(2024年度)介護報酬改定に向けて通所サービスなどについて議論した。
議論の対象となったのは、通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護、療養通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護の7類型。それぞれについて前回報酬改定の内容や、サービス提供の状況、現状の課題などが示された。
通所介護(地域密着型を含む)事業所数は2022年4万3392と、ここ数年横ばい。2016年のピーク(4万3440)から少し減っている。一方、認知症対応型通所介護は減少傾向にある。ピークは2015年の3787で、2022年は3098であった。
事務局は、認知症対応型でない通所介護でも、認知症の利用者に対応できる事業所が増えてきたことが背景にあると分析する。
療養通所介護は、機能が看多機と重複しているとの指摘があり、事業所や利用者の数も横ばいか減少傾向にある。通所リハについては生活期リハビリのアウトカムをどう評価するかなどの論点が提示された。
委員からは、療養通所介護について「医療ニーズの高い重度利用者に有用だし、障害児者の医療ニーズに対応している」など、改めてこのサービスの意義を見直す意見が出された。
通所リハについては「要介護認定者にとってリハビリは、以前の状態への回復を目指すより現状維持や悪化防止」「アウトカムに重点を置くべきでない」「要介護度が悪化する最大の要因は年齢」との意見が出された。
通所サービスの“大規模減算”については「時代に逆行。見直すべき」といった意見を複数の委員が述べた。