中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は4月16日、医療DX推進に関する議論を開始し、厚労省から5項目の論点が示された。
1点目は全国医療情報プラットフォームの構築や電子カルテ情報の標準化にあたり、標準規格化された3文書6情報の普及促進について。
2点目は診療報酬改定DXにおいて、医療機関やベンダーの負担軽減のため、共通算定モジュール導入と診療報酬改定の施行時期後ろ倒しが検討されていることについて。
3点目は電子処方箋に関して、医療機関や薬局・患者間での処方・調剤の情報共有、マイナポータルからの情報連携にについて。
4点目はサイバーセキュリティ対策、5点目は医療DXによる取り組みを診療報酬の中で評価することについて、委員から意見を求めた。
このうち、電子カルテ情報の標準化は、現在、電子カルテはベンダーごとに異なる情報の出入力方式が採用され、医療機関の間で情報の共有が困難なことから、それを解決するために実施するもの。
ただ現状では、電子カルテの導入自体が遅れており、大規模病院では9割以上が導入しているものの、中小病院や診療所では導入率が5割を切り、小規模の診療所が多い歯科では導入が進んでいない。このため、まず導入を支援する取り組みを求める意見が複数の委員から出された。
また、医療DXの推進のコストについて、これを公的保険や介護報酬で賄うのは無理があるとして、国のインフラと位置付け、運用が安定するまではイニシャル・ランニングともにコストを国が負担すべき、との考えも複数の委員から示されていた。