中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は3月8日、塩野義製薬の新型コロナ経口薬「ゾコーバ」への公的医療保険の適用を承認した。
対象疾患と投与対象患者の類似性から、既存の新型コロナ経口薬の「ラブゲリオ」と抗インフルエンザ経口薬の「ゾフルーザ」を比較薬とし、2剤の平均値に有用性加算を適用した結果、1錠約7407円となった。
軽・中等症の12歳以上の患者に1日目は3錠、2日目から5日目は1日1錠服用することから、1治療に要する費用は約5万1852円となる。
3月15日から適用されるが、高額のコロナ治療薬は当面無料とする方針であることから、患者負担は発生しない見込みだ。
ゾコーバを服用することにより、鼻水やのどの痛みなど5つの症状が回復するまでの期間が24時間程度短縮されるとともに、後遺症のリスクが低減するという。
市場規模は2年度に37万人、192億円と想定しているのに対し、短期間に市場規模が急拡大した場合に限った市場拡大再算定ルールを新たに設定した。
年間販売額が3000億円を超えた場合、現行ルールの上限値である50%減から3分の2(66.7%)減に引き上げる。
なお、この日は新型コロナの診療報酬上の特例について、点数は引き下げられるものの、特例自体はほぼ維持される方針が厚労省から示された。
本来なら5類移行に伴い廃止されるのが妥当と考えられるが、「ソフトランディング」のために段階的に縮小していくことになる。