日本製薬団体連合会(日薬連)が行った医薬品の安定供給確保に関するアンケート調査によると、8月末時点で医薬品全体の28.2%、後発品(ジェネリック)では41.0%が出荷停止・限定出荷になっていることが分かった。
前年同期の調査では医薬品全体の20.4%、後発品は29.4%が欠品・出荷停止、出荷調整だったことから、医薬品不足が一層深刻化していることが明らかになった。12月7日の中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)薬価専門部会で示された。
会合での日薬連の説明によると、原因は不正製造などで行政処分を受けた製薬会社が数社あり、それらの企業の品目が出荷停止になっている影響で、他社製品も限定出荷になっているのだという。
背景には、各社が「出荷調整」などの用語をばらばらな考え方で使っている問題があり、日薬連では安定確保委員会を設置して、用語を定義するなどの取り組みを行っていることを説明した。
この調査結果に対し、診療側委員からは「医療現場では毎日の診療で使う医薬品が不足している」「患者が薬局に持ってきた処方箋の医薬品が提供できないため、改めて代替の処方を依頼する」など、深刻な薬品不足となっている現状が述べられた。