参院本会議で6月8日、児童福祉法などの改正法が全会一致で可決・成立した。子育て世帯への包括的支援のための体制強化を目的とし、2024年4月1日に施行する。主な内容は以下の通り。
実親が育てられず児童養護施設や里親のもとで暮らす子どもへの支援は、これまで一律22歳までであったが、この制限を撤廃し、子ども個人に合わせた支援に転換する。社会的養育経験者を通所・訪問で支援する拠点を設置する事業を創設する。
市区町村に対し、「こども家庭センター」設置や、保育所など身近な子育て支援の場での相談機関整備を努力義務とする。こども家庭センターは、すべての妊産婦・子育て世帯・子どもの包括的な相談支援を行う機関で、支援を必要とする妊産婦や子どもへのサポートプランを作成する。
訪問による家事支援や児童の居場所づくりの支援などの事業、困難を抱える妊産婦に一時的な住居や食事を提供する事業を新設する。一時保護所の設備・運営基準を策定して環境改善を図る。
児童相談所は入所や一時保護の際、児童の最善の利益を考慮し、児童の意見聴取を行う。都道府県は児童の意見表明や権利擁護のための環境整備を行う。児相が一時保護を始める際、事前または保護開始から7日以内に、裁判官に一時保護状を請求する手続きを設ける。