5月16日開催の障害者部会
社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)障害者部会は5月16日、障害者総合支援法改正法の施行後3年の見直しに関して、昨年12月の中間整理とその後の議論踏まえて事務局がまとめた最終報告案をめぐり、委員が多様な意見を述べた。
報告書案は総論と各論から成り、総論では今回の基本的な考え方を「障害者が希望する地域生活を実現する地域づくり」「社会の変化等に伴う障害児・障害者のニーズへのきめ細かな対応」「持続可能で質の高い障害福祉サービス等の実現」の3つの柱で整理した。
このうち、障害者が希望する地域生活を実現する地域づくりでは、地域生活を実現・継続するための支援の充実や医療と福祉の連携など、社会の変化等に伴う障害児・障害者のニーズへのきめ細かな対応では、障害児に対する専門的で質の高い支援体制の構築、障害者の多様なニーズに応じた就労の促進の必要性を指摘した。
各論は「障害者の居住支援」「障害者の相談支援等」「障害者の就労支援」「障害福祉サービス等の質の確保・向上」「制度の持続可能性の確保」「高齢の障害者に対する支援」「障害者虐待の防止」「地域生活支援事業」「意思疎通支援」「療育手帳の在り方」「医療と福祉の連携」の11項目に整理し、これまでの議論を基に方針案を示した。
この中で、障害者の居住支援については、強度行動障害を持つ人への支援の検討、基幹相談支援センターやグループホームなどの活用による効果的な支援体制の整備の推進、グループホームにおける一人暮らし希望者への支援などの必要性を掲げた。
また、相談支援ではピアサポーターの専門性を評価する対象サービスのあり方や相談支援事業の中立・公平性の確保に向けた実効性のある方策、基幹相談支援センターの設置促進・人材養成などを検討することを提案した。
この日の会合で委員から最も多くの意見が出たのは、総論の基本的な考え方の中で使われている「当事者の目線をもって」の「目線をもって」という言葉に関する違和感で、「意見を尊重」「目線を尊重」「主体性」などへの言い換えを求めていた。