厚生労働省の「介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会」は2月17日、第1回会合を開催し、事務局が提示した論点をめぐり構成員が意見を述べた。
論点の1つは、財務省の財政制度等審議会の指摘により、介護給付費削減のため、現在貸与となっている手すり、スロープ、歩行器、歩行補助つえなどの福祉用具を販売に切り替えるというもの。
同審議会の考え方では、福祉用具貸与は毎月のケアプラン作成などのケアマネジメントにも給付費がかかることから、購入に比べ多額の費用がかかっている。また、福祉用具貸与のみを内容とするケアプランが約6%を占め、歩行補助つえなど廉価品目が約7割を占めている。
そこで、要介護度に関係なく給付対象となっている品目を、貸与ではなく販売とすべきということだ。
この論点をめぐり、多くの委員から貸与を維持すべきとの考えが示された一方、介護給付費を抑制する観点から、貸与と販売のあり方を検討することは重要との意見もあった。
維持すべきとする委員からは、その根拠として、貸与であることで状態像の変化に合わせて適正な用具に変更でき、これにより現在の状態を維持することで、ヘルパーなどの人的サービスを使わずに済むことから、逆に介護保険費用を抑えられているなどの考え方が示された。
また、福祉用具貸与のみのケアプランについて、これはケアプランにあるフォーマル・インフォーマルなサービスの中で、介護保険サービスのみを抽出したものと見られ、実際のケアマネジメントである居宅介護支援や介護予防支援では、必ずしも単独サービスになっているわけではないとの指摘もあった。
一方、見直しが必要とする立場の委員からは、給付と負担のあり方を検討する必要があり、福祉用具の範囲や原則貸与という考え方などが実態に即しているかを含め、適正化の観点からどのような対策・方策が可能かを検討していくべきとの意見があった。