中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は2月9日、2022年度診療報酬改定案を了承し、小塩隆士会長(一橋大学教授)が佐藤英道副大臣に答申書を手渡した。
不妊治療を保険適用としたほか、新型コロナウイルスを始めとする新興感染症対策、オンライン診療の恒久化、リフィル処方箋の導入、ヤングケアラー対策、医療的ケア児への支援、紹介状なしで200床以上の病院を受診する場合の定額負担の引き上げなどが盛り込まれた。
不妊治療では、人工授精などを行う一般不妊治療、より高度な医療となる体外受精などの生殖補助医療、男性不妊治療に関して加算を新設。胚移植術に関しては、治療開始日の年齢が40歳未満である場合は6回、40 歳以上 43 歳未満の場合は3回に限って算定できるとした。
新興感染症対策については、医師会などが主催する新興感染症を想定した訓練に参加し、新興感染症の発生時に自治体の要請を受けて発熱外来を行う診療所に対する「外来感染対策向上加算」などを新設した。
また、人工心肺装置「ECMO(エクモ)」を使用した際の報酬体系も明確にし、重症患者の処置と治療管理に関する評価を設けた。
コロナ特例として導入されたオンライン診療を恒久化し、初診料を対面から37点低い251点とした。特例に比べると37点引き上げられることになる。
一定期間内に受診せず処方箋を繰り返し利用できる「リフィル処方箋」に関しては、総使用回数の上限を3回までとした。
ヤングケアラー対策としては、「入退院支援加算」の算定対象である「退院困難な要因を有する患者」として、ヤングケアラーとその家族を追加した。
医療的ケア児への支援では、主治医が学校医などに情報を提供した場合の加算に関して、従来の小中学校だけでなく、保育所や大学を除く学校まで対象範囲を拡大した。
紹介状なしで200床以上の病院を受診した場合の定額負担については、医科では初診料を現行の5000円から7000円に、再診料を2500円から3000円に引き上げている。