社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)介護給付費分科会は2月7日、介護職員の処遇改善に関する審議報告案を議論し、委員からは同議題が提出された前回の分科会同様、多様な意見が改めて示された。
介護職員の処遇改善については、昨年11月に閣議決定されたコロナに関する経済対策で、介護職員の収入を月額9000円引き上げる措置が示された。
今月から補正予算により前倒しで実施され、10月以降は臨時の報酬改定で加算によって同額を引き上げることになっており、取得要件と加算率の設定、事業所内での配分方法が示されている。
この日の会合では、処遇改善を報酬改定で行うことにより利用者負担・保険料負担の増加につながることを懸念する意見が多くの委員から出され、加算ではなく基本報酬で対応すべきとの主張もあった。
また、制度が複雑化して現場の事務負担が増加していることから、報酬体系の簡素化を求める声が複数の委員からあり、処遇改善を介護報酬で行うことへの批判や効果検証による見直しの必要性を指摘する意見などもあった。
最後に田中滋分科会長(埼玉県立大学理事長)がこの日の議論を勘案した上で事務局と審議報告を取りまとめるとの提案を行い、了承された。