厚生労働省は12月20日、「地域における保育所・保育士等の在り方に関する検討会」の取りまとめを公表した。
政策の方向性として、多様な保育・子育て支援ニーズを地域全体で受け止める環境の整備や、各種事業による支援、給付・評価のあり方の見直し、研修体系の構築など、総合的な取り組みを進めていく方針を示した。
具体的な取り組みとしては①人口減少地域などでの保育所のあり方②多様なニーズを抱えた保護者・子どもへの支援③保育所・保育士による地域の子育て支援④保育士の確保・資質向上に関して、速やかに検討を開始すべきものと中長期的なものに分けて提案した。
速やかに検討を開始すべきものとして、人口減少地域での保育所のあり方では、各市区町村が各保育所などで役割分担を整理・明確化し、持続可能な保育提供体制づくりを計画的に行うとした。
多様なニーズを抱えた保護者・子どもへの支援に関しては、子育て負担を軽減するレスパイト・リフレッシュ目的の一時預かり事業の利用促進、施設見学・ならし預かりなどを経た事前登録制度を構築する。
また、保育所に通所していない児童を週1~2回程度預かるモデル事業、ICTなどを活用した急な預かりニーズへの対応、保育所と児童発達支援との一体的な支援(インクルーシブ保育)を可能とするための規制の見直しなどを挙げた。
保育所・保育士による地域の子育て支援では、保育所の地域支援を促進するための情報提供の義務化、地域の身近な相談先である「かかりつけ相談機関」を保育所が担うためのインセンティブ喚起、巡回支援事業などでの保育経験者の活用による保育所の地域支援力の向上を図る。
保育士の確保・資質向上については、中高生への周知や保育士の魅力発信、各種研修のオンライン化の推進、休憩とは別に子どもと離れて各種業務を行う時間(ノンコンタクトタイム)の確保と、そのためのスペース確保の改修費支援などを行う。
さらに、児童へのわいせつ行為で登録を取り消された者には、再登録の際に教員と同等の保育士資格管理の厳格化を図る。