厚生労働省は11月12日、入退院支援加算をヤングケアラー支援にも活用する方針を中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)で提示した。
入退院支援加算は入院前から退院後まで途切れのない支援を行うため、病院が地域の関係機関などと連携して支援に取り組んだ場合に算定できる。
この日、厚労省が示した案では、これをヤングケアラー支援に活用。入院患者の家族にヤングケアラーがいることを病院が把握し、患者が退院後にヤングケアラーに過度な負担がかからないような支援につながる取り組みをした場合、入退院支援加算を算定できるようにする。
ただ、入退院支援加算に関しては、入退院支援部門を担当する職員数が十分確保できていないことから、算定件数が横ばいになっているのが現状だ。
この日の会合で、入退院支援加算をヤングケアラー支援に活用する方針に異論を唱える委員はいなかったが、こうした現状を踏まえ「全体的な人材不足を考えれば、単に評価を見直すだけでは解決できない。さまざまな社会資源の活用・支援が必要」との意見があった。
また「幅広い範囲のケアが必要なので、診療報酬以外の取り組みも総合的に見せてもらって検討したい」との意見も出されていた。