中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は10月13日、在宅医療について議論を行い、継続診療加算や在宅療養支援病院(在支病)の救急往診件数、外来を担当する医師と在宅医との連携、ターミナルケア加算などをめぐり委員が意見を述べた。
継続診療加算は在宅療養支援診療所以外の診療所がかかりつけの患者に対し、他の医療機関との連携により、24時間の往診体制と連絡体制を構築した場合に取得できるが、ほとんど算定されていないのが現状だ。
その理由として最も多いのが、24時間の連絡・往診体制構築に向けた協力医療機関が確保できないこと。
これについて委員からは、要件の緩和を含め、算定しやすくすることを求める意見がある一方、緩和することで質の低下を懸念する声もあった。
また、先進的な事例として示された東京都板橋区と千葉県柏市では、自治体・医師会が連携して取り組んでいることから、そうした連携を進めることを求める意見が出たほか、その前提として自治体の人材育成の重要性が指摘された。
在支病の救急往診件数に関しては、2017年度のアンケート調査で年間の救急往診が31件以上と回答した病院が34あったものの、0件の病院が47あった。ただ、0件の病院でも在宅患者の年間総入院数が31件以上だったところが33あった。
この数字の解釈について、診療側委員から、在宅の患者から連絡があった場合、訪問看護ステーションの看護師に訪問してもらい、それを受けて入院してもらうケースが多いことが挙げられた。
外来を担当する医師と在宅医の連携については、ICTの活用が重要だとして、利用を評価すべきとの意見があった。
ターミナルケア加算の算定回数は増加傾向にあるものの、訪問診療の予定日前に状態が急変し、往診を行ったがそのまま看取りになると、「死亡日前の14日間に2回以上の往診または訪問診療」という要件が満たせなくて算定できないことが課題とされた。
委員からはターミナル加算のあり方を整理しなおすことや、ACPを要件に加える意見が出された。ただ、ACPについては、まだ普及していないため、時期尚早との見方もあった。